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嬉しいを古語で表すと2つの言葉がある!類語の場合や注意点も解説

嬉しいを表す古語を知りたいけど、どんなものがあるのだろう?

嬉しいという意味を表す古語は大きく分けて2つありますよ。

古語には現代的な言葉と意味が通じるものもありますが、全く異なるときもありますね。

また、古語を響きだけで認識していると全く逆の言葉の意味になることもあるので注意が必要です。

嬉しい以外の第二の意味も併せて覚えることで印象に残り、覚えやすくなりますよ♪

関連付けや他との違いを認識することで、いざというときに思い出しやすいです。

今回は、嬉しいという意味を表す2つの古語について説明します!楽しいとの違いや響きが似ている言葉についても解説しますよ。

あなたが嬉しいを表す古語について知りたいときに参考にしてくださいね♪

該当する古語を思い出せなくても普段使っている言葉から古語を検索できる辞書がおすすめです!

現代語の見出しのもとに延べ約51,100の古語を収録しており動植物の異名も多数収録していますよ。

同義語・類語・関連語を多く収録し、関連語の多い古語は、「基本語の周辺」としてまとめて解説しています。

嬉しい古語で表すと2つの言葉がある!例文も紹介

嬉しいを古語で表すと「むがし」、「うれし」の2つに分類され、どちらもシク活用の形容詞です。

ここでは、それぞれの持っている細かい意味や例文についてご紹介します。

むがし等は喜ばしいときやありがたいときに使う

うむがし、むがし、おむがしは嬉しいときや喜ばしいとき、ありがたいときに使用するシク活用の形容詞です。

3つの言葉は互いに関連していますが、「嬉しい」以外にそれぞれ違った意味を持っています。

古語意味
うむがし喜ばしい
めでたい
嬉しい
むがし喜ばしい
めでたい
嬉しい
おむがし嬉しい
面白い

どの古語も嬉しいという意味で、変化した形であることが分かります。

「うむがし」と「むがし」はほぼ同じ意味となっていますが、「おむがし」はめでたいという意味はなく面白いという意味になっています。

「うむがし」はシク活用の形容詞ですが、改めて活用形を確認しましょう!

未然形(しく)しから
連用形しくしかり
終止形
連体形しきしかる
已然形しけれ
命令形しかれ

古語の形容詞の活用形は2種類あり、ク活用とシク活用です。

形容詞の活用の判断に迷ったら形容詞の下に「なる」を付けるとどちらの活用か分かりますよ。語尾が「〜しくなる」場合はシク活用で、「〜くなる」場合はク活用です。

それでは、それぞれの古語を使った例文と意味を確認していきましょう。

<うむがしを使った例文>

その人のうむがしき事、いそしき事を、遂にえ忘れじ(出典/続紀宣命七詔)

引用:続紀宣命七詔

単語を見ていると馴染みがありませんが、「うむがしき事」と実際に出てくると「喜ばしいこと」や「めでたい事」と訳すことができるのが分かりますね。

<むがしを使った例文>

白玉の五百(いほ)つ集ひを手に結び遣(おこ)せむ海人(あま)はむがしくもあるか

引用:万葉集四一〇五

訳は「真珠をたくさん集めたものを手にすくい、よこしてくれるような漁夫はありがたいことだ」になります。

<おむがしを使った例文>

甚に愧(かたしけなし、又は、オムカシ)。公食を賜へり

引用:石山寺本金剛般若経集験記平安初期点

「うむがし」、「むがし」、「おむがし」は現代にはない独特の古語です。

「むがし」の響きだけ聞いていると「昔」を連想させたり、方言のように聞こえたりするので、古語の本来の意味を認識しづらいですよね。

あなたが「むがし」の意味を覚えたいときは、万葉集の例文を覚え、嬉しいやめでたい意味があることを一緒に認識しておくと思い出しやすくなりますよ♪

「うむがし」も「おむがし」も基本的には「むがし」が言葉として入っているので、むがしを覚えておけば思い出したいときに出てくるでしょう!

うれしは嬉しいときやおそれ多いときに使う

うれしは嬉しいときやおそれ多いときに使用するシク活用の形容詞です。

早速「うれし」の意味を詳しく確認してみましょう!

古語意味
うれし嬉しい、楽しい
ありがたい、おそれ多い

「うれし」の活用形は「むがし」と同じくシク活用になります。

「うれし」を使った例文も確認していきましょう。

<うれしを使った例文>

鷹(たか)一つ見付けてうれし伊良湖崎(いらござき)

引用:笈の小文 俳文 芭蕉

訳は「伊良湖崎にやって来て眺望を楽しんでいると、一羽の鷹が大空に舞うのを見た。古歌に詠まれた鷹だと、期待どおり見れてうれしくなる」になります。

京に入り立ちてうれし

引用:土佐日記帰京

訳は「京に立ち入って嬉しい」になります。次は「おそれ多い」という意味の「うれし」です。

院の御消息(せうそこ)のいとうれしく侍(はべ)りて

引用:大和物語九八

訳は「院のお手紙は大変おそれ多くございまして」になります。

私たちが普段から使っている言葉が「嬉しい」なので、「うれし」はすぐに分かりますね!

嬉しい以外の意味として、ありがたい、おそれ多いという意味があることも併せて認識しておきましょう。

該当する古語を思い出せなくても普段使っている言葉から古語を検索できる辞書がおすすめです!

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嬉しいという古語と楽しいは意味が違う!

楽しいを表す古語は主に3つの言葉があり、嬉しいを表す古語とは異なります。

また、現代文においても楽しいと嬉しいは区別されている言葉です。

ここでは、楽しいを表す古語とその意味、楽しいと嬉しいの違いを解説します。

こころよしは楽しいときや気分が良いときに使う

こころよし(快し)は楽しいときや気分が良いときに使用するク活用の形容詞です

似ている古語に「心良し」がありますが、「気立てがよい」という意味になるので漢字や前後の文脈に注意が必要ですよ。

「こころよし(快し)」の意味を詳しく確認してみましょう!

古語意味
こころよし(快し)気持ちがよい、楽しい、快い
(病気が治って)気分がよい

私たちが普段から使用している「快い」に近いニュアンスなので覚えやすいですね。

今まで紹介した「むがし」や「うれし」とは違い、「こころよし(快し)」はク活用です。改めて活用形を確認しましょう。

未然形(く)から
連用形かり
終止形
連体形かる
已然形けれ
命令形かれ

ク活用に「シ」をつけた形がシク活用なので、両方一緒に覚えるのがおすすめです。

「こころよし(快し)」を使った例文も確認していきましょう。

<こころよし(快し)を使った例文>

こころよく数献(すこん)に及びて、興に入られ侍(はべ)りき

引用:徒然草二一五

訳は「気持ちよく、いくつか杯を重ねるに至って、いいご機嫌になられました」になります。

古文の中で「こころよし」が平仮名で表記された場合は、文脈から快しなのか心良しなのかを判断するようにしてくださいね。

たのしは楽しいときや裕福であるときに使う

たのしは楽しいときや裕福であるときに使用するシク活用の形容詞です。

「たのし」は普段私たちが使っている「楽しい」の言葉に近いので覚えやすいですね。

それでは「たのし」の意味を詳しく確認してみましょう!

古語意味
たのし楽しい
裕福である

「裕福である」という意味は「たのし」という言葉から連想できないので注意が必要です。

「たのし」を使った例文も確認していきましょう。

<たのしを使った例文>

梅を招(を)きつつたのしき終へめ

引用:万葉集八一五

訳は「梅の花を招き寄せて楽しいことの限りを尽くそう」になります。

堀川相国(ほりかはのしやうこく)は、美男のたのしき人にて

引用:徒然草九九

訳は「堀川の太政大臣(だいじようだいじん)は、美男子で裕福な人で」になります。

一見すると「楽しい」と「裕福である」という意味には関連性がないように思えます。

「たのし」は2つの満ち足りている状態を表し、精神的には「楽しい」こと、物理的には「裕福である」ことであると認識すると覚えやすいでしょう。

私もテストのときに忘れてしまうことはありましたが、工夫して覚えたことを手がかりに考えると意外と思い出す場合もありました。

よしには9個の意味がある!楽しいを表すこともある

よしには大まかに9個の意味があるク活用の形容詞で、その中の1つとして楽しいことを表します。

また、形容詞以外にも間投助詞、名詞、副詞、補助形容詞にも使用されるため、判断に迷うことがあります。

それでは「よし」の意味を詳しく確認してみましょう!

古語意味
よしりっぱだ、上等だ
美しい、きれいだ
すぐれている、善良だ、賢い
身分が高く教養がある、上品だ、高貴だ
上手だ、巧みだ、すぐれている
栄えている、豊かだ、幸せだ
快い、楽しい、好ましい、感じがよい
適当だ、都合がよい、ふさわしい、ちょうどよい
親しい、親密だ

補助形容詞に「よし」が使用されると、動詞の連用形に付いて「〜しやすい」の意味になります。

どの意味でも良い状態を表していますが、9個の意味の中でどれが最適なのか判断するのは難しいですね。

前後の文脈をよく確認することで1番近い意味を当てはめるようにしましょう。

続いて「よし」を使った例文も確認していきましょう。

<楽しいを表すよしを使った例文>

都の人は、ことうけのみよくて、まことなし

引用:徒然草一四一

訳は「都の人は、口先の返事だけは感じがよくても、誠実さがない」になります。

「よし」が名詞で使用される場合は「由」もしくは「葦」といった漢字に置き換えることができます。

「由」の場合は、理由や言い訳、手段、事情、縁、そぶりなどを意味し、「葦」の場合は草の別名を意味しています。

「よし」が使われている場所や活用形からまず品詞を判断して、例えば形容詞であったなら適切な意味を当てはめるような確認の仕方になるでしょう。

いつも「楽しい」という意味に限らない「よし」は注意が必要ですね。

楽しいと嬉しいは違う!現代文でのニュアンスの違い

楽しいと嬉しいは同じ喜びを表す言葉に見えますが、楽しいは能動的に感じる喜び、嬉しいは受動的に感じる喜びという違いがあります。

例えば、友人と会話をすることや旅行に行くこと、学校に行くことなど自らの行動の結果から得られた喜びには「楽しい」を使います。

一方で、嬉しいを表す古語にも「ありがたい」の意味があるように、「嬉しい」には他者が自分にしてくれたことに対して受動的に感じる喜びを表しています。

普段私たちも感覚的に使用している言葉なので、口語では明確に使い分けしませんね。

しかし古文を現代語訳するときは、感覚ではなく辞書の意味通りに訳す必要がありますね!

現代文から古語を変換するときも、古語から現代文を変換するときも正確なものを選びましょう!

嬉しいの古語にはうしはないので注意!辛さを表す意味

うし(憂し)は辛い状態を表すク活用の形容詞で、うれしと混同しやすい古語なので注意が必要です。

特に注意が必要なのは「うれし」という古語を平仮名で表記している場合や音だけで聞いた場合です。

「憂れし」なのか「嬉し」なのか一瞬では判断できないですよね。

まず、「うし(憂し)」の意味を詳しく確認してみましょう!

古語意味
うしつらい、苦しい
わずらわしい、嫌いだ、いやだ
恨めしい

もちろんですが「嬉しい」という意味はありません。

「うし(憂し)」の活用法を確認してみると「うれし」に該当する活用形がないことが分かります。

未然形うくうから
連用形うくうかり
終止形うし
連体形うきうかる
已然形うけれ
命令形うかれ

単純に「うれし」は普段から使う言葉の「嬉しい」と同義語であることを認識しておきましょう。

しかし、テストのときや焦ってるときは、思わず「うれし」を「憂れし」と判断してしまいそうですね。

「うれし」を「憂れし」と訳すと、本来の「嬉しい」ではなく「辛い」という正反対の意味で訳すことになってしまいます。

古語の読解をするときは前後の文脈から判断し、品詞や活用形を事前に知っておくと便利ですよ♪

まとめ

  • 嬉しいを古語で表すと「むがし、うむがし、おむがし」と「うれし」の2つに主に分類される
  • 楽しいを古語で表すと「こころよし(快し)」や「たのし」、「よし」の3つに主に分類される
  • 「よし」には形容詞としての意味が9個あり、前後の文脈などで判断して適切な意味を当てはめる
  • 「嬉しい」と「楽しい」は現代文でも意味が異なり、「嬉しい」は一時的で内面的な喜び、「楽しい」は継続的で客観的な喜びを指す
  • 「うし」は辛いことや苦しいことを表す「憂し」のことで「うれし」とは別の古語である

嬉しいを表す古語は普段私たちが使っている言葉と縁のある「たのし」、全く縁のない「むがし」もあります。

連想できないものや馴染みのないものは覚えにくいときもありますが、暗記するときに関連付けやひと工夫しておくと思い出せる場合もありますね♪

また、気になったときはそのままにせずに辞書で調べることがおすすめですよ。

あなたが嬉しいを表す古語を知りたいときに参考にしてください!

該当する古語を思い出せなくても普段使っている言葉から古語を検索できる辞書がおすすめです!

現代語の見出しのもとに延べ約51,100の古語を収録しており動植物の異名も多数収録していますよ。

同義語・類語・関連語を多く収録し、関連語の多い古語は、「基本語の周辺」としてまとめて解説しています。



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