長~い長~い夏休み。子どもたちにとったら、海だ、プールだ、山だ、バーベキューだと、頭の中は遊びがメインになっていることでしょう。
寝過ごしても問題なし、自由に遊びに行く、好きな時にお菓子を食べる、疲れたら寝る、お休みって子どもたちにはパラダイスですもんね。
中には、夏休みから塾に通うとか、夏だけ夏期講習を受けるとか、習い事で夏休みの半分は取られる、なんていう子もいるかと思います。この差はなんだと思ってしまいますが…。
いろんな経験をしたり、集中して学ぶには、「夏(夏休み)が勝負」と言われます。
だから、サマーキャンプ、宿泊体験、アート体験など、子ども対象のイベントが盛りだくさんだったり、夏期講習といった勉強の場が増えたりするわけです。遊びや勉強の熱い夏になる、ということですかね。
そんな子供以上にヒートアップしてしまうのが、親。これから自分たちの前に立ちはだかるのは、「夏休みの宿題」という最強の妖怪。
叱咤激励しながら、なんとかわが子に難関ステージを突破させるべく、夏に勝負を挑むことになります。
考えただけでげんなりする、イライラでどうかなりそう、どっかいきたーい!と逃避行してしまいたくなる気持ちは、世のお母さん皆同じ。でも、目の前の妖怪は、子どもと共に倒さなければならない妖怪なわけです。
だったら!いかにしてその妖怪を退治するか、作戦を立てたうえで、撃破した時のあの達成感をメージするのみ!その戦略を一緒に考えてみましょう。
目次
小学生の夏休みの宿題の量

子どもの普段の宿題を見ても、「あ~結構量があるな」と思うときってありますよね。
「やらないと終わらないよ」なんて声をかけてしまうこともあるでしょうが、夏休みなんて休み期間が長いわけですから、出される宿題の量は倍ではすみません。
ちなみに、どんな宿題が出されているか。

引用 PR TIMES 「夏休みの宿題に関するアンケート調査」
私の子どもの時もありました、植物の観察日記。朝顔とかへちまとか。学校で鉢に種を植えて、夏休みに入ると家に持って帰り、お世話しながらの観察。
でも、力入りすぎて水をやりすぎ芽が出ないとか、逆に炎天下水やり忘れて枯らすとか、なにかしらやらかして、種植え替えるとか友達のへちま見に行くとかしてましたね。お、私だけ?…じゃないですよね~(笑)
こう見てもさまざまな宿題が出されていて、小さなわが子の背中にのしかかり、親の手中に握らされているわけです。でも、ここを越えていくと、成長したわが子と自分がいるのです、そう信じましょう。
学年 | 学習系 | 課題系 | 量 |
小学校1年生 ~3年生 (低学年) |
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プリント学習の場合、算数・国語など10~20枚程度で、ドリルの場合はもう一度やる反復学習。親が丸つけを担当。絵日記は2枚~5枚程度。自主学習は自分で決めたテーマで、ノート1ページを一日分としてやる。 |
小学校4年生 ~6年生 (高学年) |
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など |
1日1枚程度のプリント。丸つけは自分で行う。読書感想文や作文で書く力が試され、家庭科の課題は1つ作品を作って提出やレポートということも。 |
多く見える宿題の量…でも、勉強熱心な中国・韓国なんかはもっと多いらしいですね。昔に比べたら、日本の宿題はかなり減っているのだそう。
いわゆるモンペ(モンスターペアレント)の出現から、宿題量に不満をぶつけてくる保護者が増えたことで、学校側も減らさざるを得ない事態になっていたりするようです。
成績を上げたいから宿題をもっと増やしてほしいという親もいれば、多すぎて対応できないという親もいる…それに対して子どもたちは宿題とどういう風に向き合っているんでしょうね。
その部分を親子で一致させることが本当は大切なことかもしれません。
ともあれ、今は現実に直面している夏休みの宿題という妖怪とにらみ合い、戦略を練るために、まずは量的な部分をしっかりとらえておきましょう。
小学生は「夏休みの宿題計画」を立てるべし~学習計画表

どーんと積まれた宿題。でも、夏休みにはプールにも行きたいし、おじいちゃんおばあちゃんの家に遊びに行く予定もある…
せっかくの長期休暇、子どもたちだって普段できないことがしたいのは当たり前。お父さんお母さんだって、子どもたちにいろんな体験をさせてあげたいと思っているはずです。
●夏休みの有意義な体験

こういった勉強とは関係のないことも、実は子どもを大きく成長させることに繋がります。充実した夏休みを過ごすためにも、いつ、何をやるかといった学習&遊びの計画というのが必要不可欠になってくるのです。
夏休みの宿題量を「見える化」する
「夏休みは宿題がたくさんある」子どもも親もそのことは何となくわかってはいるのですが、実際にどのくらいあるのかは漠然としています。
その状態で夏休みに入ってしまうと、時間が経てば経つほど宿題の量はイメージの中で膨らんでいきます。そうなるともう、宿題は手も足も出ない妖怪になってしまっているのです。これではステージクリアが難しい…。
倒すためには相手を知ること。まず、夏休みの宿題が出されたらすぐに、親子で宿題の全体量を「見える化」することです。宿題のことが書かれたお便りを見ながら、宿題をすべて出し、一か所に集めて並べてみます。例えば、
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- 生活表
- 「夏休みの友」(問題集)
- 算数プリント・計算ドリル
- 漢字プリント・漢字ドリル
- 日記・絵日記
- 自由研究
- 読書感想文
- 絵・工作
※自由研究、読書感想文、絵・工作はこのうちのどれかを選ぶという場合もある。
自由研究などのようにまだ形になっていないものもありますよね。こういうものは、A4くらいの紙に「自由研究」などと書いて並べてみます。
頭でわかったことを視覚や聴覚で再度とらえると、モヤがかかっていたことが少しクリアになります。多いと思っていた宿題を、実際に並べて視覚で量をとらえると…
どうですか?倒せるかもしれないという期待が生まれますよね。漠然としたことをクリアにすることで、心の負担は少し軽くなります。
さあ、まずは妖怪「夏休みの宿題」と向き合う準備が出来ましたよ。
夏休みの宿題量を「数字化」する
では、今度はその宿題の量を数字化します。どういうことか。
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- 生活表 1枚
- 夏休みの友 44ページ
- 算数プリント 5枚
- 漢字プリント 5枚
- 絵日記 3枚
- 読書感想文 3枚
- 自由研究 ー
このように量を数字化すると、ともに戦うお母さんにとっても、より戦い方が具体的になりますよね。
「これは枚数も少ないから、早めに片付けられるわね」、」「これは量が多いから分けてやらないと大変そうだわ」など、まずはお母さんが宿題のマネジメントをして子どもに提案すると、子どもも先をわかりやすくイメージできるかと思います。
それぞれの宿題のスタートデイ、フィニッシュデイを決める
妖怪の大きさがわかりました、今度はどこからどう攻めるかの作戦です。それぞれの宿題について、いつ始めて、いつまでに終わらせるかを決めていきます。
お母さんはその計画をホワイトボードなどに記入し、キッチンにさげて、いつでも目が届くようにしておくといいかもしれませんね。
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- 夏休みの友は毎日2ページ 7/20から8/10まで
- 算数プリントは毎日1ページ 7/20から7/24まで
- 漢字プリントは毎日1ページ 7/25から7/29まで
- 絵日記は7/31までに1枚、お盆におじいちゃん・おばあちゃんの家で1枚、8/21、22の旅行で1枚
- 読書感想文 8/1から8/5まで
- 自由研究 8/6から8/12まで
宿題の計画をカレンダー表に落とし込む
具体的に立てた宿題計画を、さらにわかりやすくするために、生活表としてカレンダーに落とし込みます。算数プリントをやる期間は青色、漢字プリントの期間は赤色という風に色分けすると見やすくなるでしょう。
これで、いつやって、いつまでに終わるかがはっきりわかります。
あくまでもこれは「計画」。うまくいかないこともありますから、ところどころに予備日を設定しておくのもいいですね。
こういった計画が作成できるように、学校側から夏休みの宿題と共に計画表を出される場合もありますが、使いやすいか使いにくいかは人それぞれ。
実は今、ネットから計画表のテンプレートが無料でダウンロードできるんです。
勉強するとき、子どものモチベーションを上げるには環境を整えることも大切なんです。勉強する机周りがきれい、雑音が少ない、新しいノートや鉛筆を使うなど、ちょっとしたことでやる気が出ることってありますよね。
学校からだされた計画表は、みんな同じで白黒だったりしたら、何となく気持ちは上がりませんよね。そこでお母さんがカラフルなかわいいテンプレートで計画表を準備すると、親の株はあがります(笑)。
見ていても楽しそうで、ワクワクしますよね。

引用 学習プリントcom

引用 キッズ@nifty

引用 本棚のこどもたち
夏休みの宿題計画実行における親サポート
子どもが妖怪「夏休みの宿題」に立ち向かいます、ここからは実行編。今度は叱咤激励を武器にした親の出番です。子どもは正直ですから、親が見ていなければさぼります。遊びたいし、宿題は基本めんどくさいですからね。
親はしっかりと「見届ける」ということが必要になります。できていれば、「頑張ってるね」「順調だね」と褒めてやり、ギャップが生じてきたら頑張れと応援しなければなりません。
親が見ていれば、子どもはやり遂げることができるのです。
今、共働きの家庭も増えています。夏休みの宿題を見てあげることなんてできないわと思っているお母さんもいるでしょう。
でも、子どもの現状把握をしていくために、この宿題計画というのは、そんなお母さんたちにこそ活用できるものでもあるんですよ。
日中の子どもの様子が見えないだけに、この計画表で子どもと繋がれたりするのですからね。
注意するのは、親が見届けを忘れる、さぼるで、何日か経ってからそれに気づき、「やってない!」とわかると感情的にキレてしまうこと。小学生の子どもにはまだまだ親サポートは必要不可欠なんです。
見届けが出来ていれば、感情的に怒ることも少ないはずですよ。小学校のうちは毎日見届けをしてあげましょう。
途中経過を「見える化」する
お母さんに応援してもらいながら、妖怪を倒せたかどうかの判断も大切。宿題計画内容をどれくらい実行できたか評価して、計画表やカレンダーに記号をつけていくと管理しやすいでしょう。例えば、
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- 計画通りのできた ◎
- まあまあできた 〇
- 半分できた △
- あまりできなかった ×
- 事情があり出来なかった /
こんな風につけてみることができます。評価の仕方は、①親が評価、②親子で評価、③子どもが自分で評価とあります。やり方は、各自に合ったものを選んで取り組みますが、最後は親が見届けをしましょう。
この時、出来なかったことを責めるのではなく、どうしてできなかったか、どうしていったらいいかの振り返りをして、戦略を練りなおします。親が毎日の見届けをしていれば、計画の見直しはすぐにできます。
「内容が難しかったのに、この時間じゃ解ききれなかったよね。次は少し時間をとってみよう」などと前向きな発言をし、子どもが次へ向かいやすいようなサポートをします。
夏休み最終日までに、親子でしっかり宿題計画に取り組んでみましょう!
小学生の「夏休みの宿題計画」の効率を上げるポイント
Q.子どもがもっとも苦戦している夏休みの課題はなんですか?

子どもたちが圧倒的に苦手とする課題が「作文・読書感想文」「自由研究」。自分の考えや知識をまとめるということに苦戦しているようです。ということは、作業に時間がかかるということ。
「作文・読書感想文」は、時間がしっかり取れるときやある程度宿題の進行状況がわかってきてから取り組む方が効率が良さそうです。
「自由研究」は子ども本人が興味を持つものを選び、息抜き的に楽しんでやらせるのもいいかもしれません。
夏休みの宿題の定番「作文・読書感想文」攻略法
作文ならまだしも、子どもが読書感想文を苦手とするのは、「何を書いていいかわからない」「どう書いていいかわからない」からです。授業でがっつり書き方を習うってこと、まずないですからね。
読書感想文の3本柱は
1、はじめ=読む前のこと
読書感想文を書くために読んだ本を、選んだきっかけなどを理由を含めて書いていく。
<例>本選びに迷っていたら、母がこの本を進めてくれました。動物が好きなので、動物の本が読みたいと思いました
2、真ん中=読書体験
本のあらすじを簡単に書き、読んで思ったことを書く。
<例>困難にもへこたれない少年たちを見習いたいと思いました。本の中の犬たちが、まるですぐそばにいるように感じました。
3、終わり=読んだ後のこと
読んだ後に現実に起こったことや、読んだ後で自分の気持ちがどう変わったかなどを出来るだけ詳しく書く。
<例>読んだ後、感想を母に話したら、海に連れて行ってくれました。本に出ていた練習法を真似してみたら、野球がうまくなりました。
<参考例>

読書感想文を書く意義は、①本に親しむ機会を増やす、②自分の考えをまとめる練習、③文章を書く練習です。大人になった時、この読書感想文に悩まされたことが、仕事や生活の中で、きっと役立っているはずです。
夏休みの宿題の定番「自由研究」攻略法
一番手がかかって、時間がかかるのが「自由研究」ですよね。でも、やってみると面白くなったり、意外な発見があったりして、子どもたちにしたら楽しく取り組めるものでもあるんです。
では、自由研究のかたちにはどんなものがあるかまとめてみます。
- 実験系…ごま油でマヨネーズを作ろう、果物は水に浮く?沈む? など
- 観察系…カブトムシの1日観察、夜空の星を観察しよう など
- 工作系…お花のキャンドル、Tシャツリメイク、貯金箱 など
- 調べ学習系…地域のスーパーを調べよう、お米の歴史を調べよう など
何を調べた場合でも、基本的にまとめ方の構成は同じです。
①テーマ、または題名
「○○について」「○○の研究」「○○はどうして△△なのか」など、わかりやすく書きます。
②これをテーマにした理由
「○○に興味があったから」「○○が不思議と思ったから」など、子供の素直な想いをシンプルな言葉で書きます。くれぐれも小学校の学年に適した発想のものにすること。
その子どものレベルの合わないようなテーマはNG。
③調べたり研究したりした内容
出来るだけ詳しく、事実をそのまま書きます。写真を貼るとリアリティーが高まりますね。
④研究を通してわかったこと、結果。
知ったことをそのまま書きます。
⑤感想を少し書く。
最後に感想が書いてあると親しみがわきます。「頑張ったね!」と褒めたい気持ちになるものです。「○○を調べて楽しかった」「○○するのは大変だった」などという、簡単な感想でOKです。
自由研究は、親と一緒にやってもいいのです。
特に、小学校の低学年の場合は親の手助けは必須です。オリジナルで作成するというのは難しいという親子のために、今はネットで題材が提供されていたり、工作・研究キットなるものが販売されていたりします。
費用は負担することになりますが、何が大事かと言えば、自由に研究工作をする過程と結果です。ネットを参考にしようが、キットを購入しようが、子どもが興味のあることに一生懸命取り組むことに意味があります。
勉強が得意ではなくても、興味や関心を持てるテーマは必ずあるはずです。
自分が好きなことなら意欲的に学べますし、自分一人で調べたり、まとめたりする経験や、完成させたことで得られる達成感は、ほかの学習にも影響するに違いありません。
また、当初の計画通りにスムーズに完成させることはもちろん素晴らしいのですが、仮に途中でつまづいたとしても諦めずに続けられれば、そのことは大きな自信になるでしょう。
まとめ
夏休みに入る時、「宿題が多くて大変」「やり終えるのか心配」と頭を抱えているのは、子どもじゃなく親の方だったりします。子どもは宿題よりも遊び。そのギャップが、夏休みの過ごし方に大きく影響してくるわけです。
さあ、子どもの夏休み宿題大作戦(宿題計画)はどんなものだったでしょう。
- 宿題の全体像をとらえる
- 宿題の量を「見える化」する
- 宿題の量を「数字化」する
- それぞれの宿題を始める日と終わらせる日を設定する
- 宿題計画を予定表に記入する
- 親の見届け
- 宿題の途中経過を記入する
宿題の日々の予定から、子どもに小さな達成感を持ってもらうようにするんです。
コツコツと一つ一つステージをクリアするようにしていくと、それは「やらされていること」から「やりたいこと、やること」に代わっていくと思います。
計画表の中には、楽しい予定も入っています。おじいちゃんおばあちゃんの家にいくこと、家族で海に行くこと、バーベキューをすること…
それも目で確認しながら、その楽しみを原動力にすると、宿題だって頑張れちゃうんです。
子どもは素直ですから、頑張る時も、頑張れない時もあります。だからこそ、宿題計画というのは必要になるんです。予定は予定、修正はできますからね。
大変だ、出来ないと思う前に、出来る方法を考える、それが宿題計画になります。
日々ステージをクリアして、妖怪「夏休みの宿題」を撃退!夏休み最終日、仕上がった宿題を見て子どもはニコニコ、親は心の中でガッツポーズ、今年はそんな夏休みにしようじゃないですか。
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