「最近、いびきがうるさいってよく言われるんだよなぁ…。」
「寝ている時によく目が覚めて熟睡できない…。」
上記のようなことで悩んでいるあなたは、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は、何もせずに改善する病気ではありません。
症状を改善するグッズを使ったり、病院での治療だったりが必要です。
睡眠時無呼吸症候群を改善するグッズには、口閉じテープやマウスピース、枕などがあります。
忙しくてなかなか病院に行く時間が取れないのであれば、まずはグッズを試してみませんか?
この記事では症状やタイプに合わせて、おすすめのグッズを紹介しています。
病院でおこなわれる治療についても解説しているので、どのようなことをするのかわからないという不安な気持ちを少しでも解消出来たら嬉しいです。
目次
睡眠時無呼吸症候群の改善には気道を広げるグッズ

睡眠時無呼吸症候群とは寝ている時に気道が狭くなり、何度も呼吸が止まったり、浅くなったりすることで身体のなかの酸素が足りなくなってしまう病気です。
身体は睡眠時無呼吸症候群で酸素が足りなくなった状態を、もとに戻そうとして心臓の活動量が増加し、血圧が上昇します。
そして血圧が上昇する状態が続くと、動脈硬化が進行してしまうんです。
睡眠時無呼吸症候群を改善しないままだと、高血圧は2.0倍、脳卒中は4.0倍、心筋梗塞は3.0倍も、睡眠時無呼吸症候群でない場合と比べて引き起こしやすくなります。
上記の合併症によって突然死してしまうこともあります。
「もしかしたら睡眠時無呼吸症候群なのかな…。」と思い当たる節がある場合、どうにかして改善したいですよね。
ですが忙しかったり、敷居が高かったりして、病院には行きづらいという気持ちもわかります。
そんなあなたは、まず睡眠時無呼吸症候群を改善するグッズを使ってみてはいかがでしょうか。
睡眠時無呼吸症候群を改善するグッズには、口につけるテープやマウスピースなどがあります。
その他にも特殊な形の枕など、口や鼻から肺の入り口である声帯にいたるまでの空気の通り道を広げるグッズが、たくさん販売されています。
いびき対策で使われるノーズピンやノーズシールは鼻づまりで鼻腔(鼻の内部)が詰まっている場合や、疲労やストレスによる一時的ないびきに効果はあります。
しかし鼻のとおりを良くするだけでは、睡眠時無呼吸症候群の改善にはなりません。
ここからは睡眠時無呼吸症候群を改善するグッズを、種類別にご紹介していきます。
病院に行く前に「グッズを使って改善したら良いな。」というくらいの気持ちで、使ってみてくださいね。
もしグッズを使っても気になる症状が改善しない場合は、必ず病院を受診しましょう。
起床時に口が乾いているなら口呼吸を改善するグッズ
あなたは朝起きた時に、口の中が乾いていたり、のどがイガイガしたりすることはありませんか?
起床時に口やのどに強い乾きがある場合、口呼吸をしていることが原因で舌の根っこ部分が気道のほうへ下がります。
その上、口呼吸を続けているとのどの筋力も低下し、睡眠時無呼吸症候群になってしまうのです。
このタイプの睡眠時無呼吸症候群を改善するために使えるのは、口呼吸防止シールや口閉じテープと呼ばれる口に直接貼り、寝ている間に口が開くのを防ぐグッズです。
またマウスピースを使い、口を閉じる習慣をつける事で鼻呼吸を促すという方法もあります。
マウスピースに抵抗がある場合は、まず口に貼るテープを試してみましょう。
おすすめの口呼吸防止シールを2つと、マウスピースを1つご紹介します。
〈Anlomaの口閉じテープ〉
朝までしっかり止まっているけれど、はがす時もそこまで苦にならないという強すぎず弱すぎない粘着力が特徴の口閉じテープです。
特徴的なXの形をしているため、テープが力を分散し粘着部分も多いため外れにくく、口が自然に開くのを抑えてくれます。
他の口閉じテープでは、寝ている間にテープがはがれてしまうという人におすすめのテープですよ。
使い方は、保護ステッカーから口閉じテープをはがし、口周りをきれいにして乾かし、口に貼り付けるだけという簡単さです。
テープがしっかりとまるまで、口をそっとおさえておくと良いでしょう。
はがす時は、テープを引っ張って皮膚を傷つけないように気をつけてくださいね。
〈おやすみマウステープ〉
唇に当たる部分が無粘着エリアとなっているので、他のテープでは、はがす時に唇の皮がむけてしまうあなたに、ぜひ使ってみてほしい唇に優しい口閉じテープです。
1パック40枚入っているので、毎日使っても1か月持ちますね。
通常タイプと幅広タイプがあるので、あなたの使い勝手のいいサイズを選ぶことができます。
どの口閉じテープを使う場合にも、鼻で呼吸できることをしっかり確認したうえで使いましょう。
また唇付近の水分、クリームなどの油分、薬剤などはふき取ってから使うと、粘着力が弱くなりません。
〈Dr.Qolisのマウスピースお試しセット〉
「まずは手軽にマウスピースを試してみたい!」というあなたに、おすすめしたいマウスピースです。
2タイプと3タイプのセットがあり、どのタイプのマウスピースがあっているのかわからない場合は、Dr.Qolisのマウスピースを使ってみると良いでしょう。
2タイプのセットは、1の型取りタイプと2の型取り不要タイプ(前歯に引っかけなし)の2種類、3タイプのセットは1~3の3種類のマウスピースが入っています。
1の型取りタイプは、自分専用のマウスピースが作れるため歯並びが悪くても、しっかり歯にフィットしてくれます。
型取りもお湯につけた後にマウスピースを嚙むだけなので、自宅で簡単におこなえますね。
また歯全体をガードしてくれるため、睡眠時無呼吸症候群だけでなく歯ぎしりによる歯のダメージも防ぐことができます。
上の歯のみにつけるマウスピースなので、違和感なく使うことが可能ですよ。
2の型取り不要タイプ(前歯ひっかけなし)は、奥歯の2点で歯を支えるシンプルなマウスピースです。
型取りは面倒だけれど、前歯の歯並びが悪くてマウスピースは使えないと思っているあなたに、ぜひ試してみてほしいですね。
3の型取り不要タイプ(前歯ひっかけあり)は、奥歯+前歯の3点で歯を支えるので、寝ている間に外れにくくなっています。
「型取りは面倒だけど、ちょこちょこ外れるのも嫌だなぁ。」と思っているあなたに使ってみてほしいマウスピースです。
あなたの歯の状態に合わせたマウスピースを選んでくださいね。
専用のケースがついていて持ち運びにも便利です。
1つのタイプにつき2個ついているので、ローテーションで使えばマウスピースの劣化を遅らせることができ、長く使うことができます。
旅行や出張先で無くしてしまっても安心ですね。
起床時に口が乾いていないなら舌を固定するグッズ

あなたが朝起きた時に口が乾いていない場合は、口呼吸以外の原因で舌の根っこが気道のほうに下がっていることで睡眠時無呼吸症候群の症状が出ています。
その場合は、舌をつきだすような形で固定するタイプのマウスピースを使うことで、症状が改善しますよ。
寝ている間に、気道に落ち込んでしまう舌をマウスピースで固定することで、気道が狭くなるのを防ぐというわけです。
マウスピースには、一般的によく知られている歯につけて使うタイプのものと、睡眠時無呼吸症候群用に舌に装着するタイプのものがあります。
ここではおすすめのマウスピースを3つご紹介します。
〈グリムのノイズピース〉
咥えることで舌の根をハンモックのように持ち上げ、気道を広げて鼻呼吸を促す構造になっているマウスピースです。
目立ちにくくシンプルな作りで、手軽に装着することができます。
水洗いができる素材でできているので、繰り返し使うことができます。
マウスピースの厚みが【1.1㎜】ととても薄いので、違和感なく使えるマウスピースを探しているあなたにおすすめです。
〈ATZのスリープタイト・STZ)
アメリカの歯科医師が開発と設計をしたマウスピースです。
内側は柔軟性のある材質で、歯をしっかり優しく包み込み、外側はより硬い材質で歯を守ってくれます。
またあなたにぴったり合ったマウスピースにするために、自分で歯形を取ることができますよ。
このマウスピースを使うことで、下あごを前のほうに移動させることができ、舌の根が落ち込むのを防いでくれます。
舌を固定する部分も大きく開いているため、痛みを感じることなく舌先の突き出しが自然にできるようになっています。
歯を守りつつ、気道が狭くなることを防いでくれるマウスピースなので続けて使ってみたいという口コミが多くありました。
以前同じ会社から発売されていたマウスピースに比べ、マウスピースの前面下部の厚みが薄くなり、口を閉じやすくなったためサイズも一回り小さくなっています。
そのため、装着した時に感じる違和感が少なくなりました。
ATZのスリープタイト・STZは以下のようなあなたに試してほしいです。
- 自宅・旅行・出張時のいびきに悩んでいる
- ぴったりとした装着感が好みで求めている人
- マウスピースによる違和感を最小限にしたい人
- 高品質で信頼できる商品を求めている人
〈Joyearの舌用マウスピース〉
Joyearの舌用マウスピースは、名前のとおり舌に直接つけて使うマウスピースです。
高品質のシリコンでできていて、柔らかいため快適な付け心地で舌にフィットします。
また食品衛生法に適合した製品なので安心して使えますね。
シリコンなので水洗いでき、いつでも清潔を保つことができ、くり返し使うことももちろんできます。
持ち運びしやすいケースがついているので、旅行や出張などの時も衛生的に持っていくことができますよ。
使い方も舌を舌用マウスピースに入れて、外側から舌用マウスピースを押して中の空気を出すだけという手軽さです。
舌用マウスピースを押して空気を出すことで、しっかりと舌に密着して舌が気道に落ち込まないようにキープしてくれます。
舌用マウスピースで舌を前方の位置に保ったまま睡眠をとることで、気道が狭くならず呼吸が楽になります。
その結果、いびきや無呼吸が改善されるというわけです。
型どりする必要もないので、購入後すぐに使い始めることができますね。
通常、舌に何かをつけっぱなしということは少ないので、使い初めは違和感があると思います。
慣れるまでは短時間から使用し、徐々に慣らしていくと良いですよ。
また舌の固定する位置や、舌用マウスピースの密着具合によって、苦しくなることがあります。
最初は舌を出しすぎないように注意して、少しずつ舌の位置を前に固定するようにすると良いでしょう。
舌用マウスピースはシリコンでできているので、直射日光の当たるところでの保管や、アルコールが配合されている口腔洗浄液を使っての洗浄や保存は避けてください。
シリコンを劣化させてしまい、使えなくなってしまいます。
睡眠時無呼吸症候群を改善する寝方は横向き寝

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に舌の根っこ部分が気道に落ち込み、気道が狭くなることで呼吸がしづらくなると上でもお伝えしました。
口閉じテープやマウスピースを使うことでも睡眠時無呼吸症候群は改善するのですが、寝方でも改善する可能性があるのはご存じですか?
実は気道が狭くなることを防ぐには、横向きの寝方がおすすめなんです。
寝方を横向きにすると、重力によって舌が下がっても気道ではなく、顔の側面に向かって下がりますよね。
そのため気道が狭くならず、スムーズに呼吸することができます。
しかし寝方が仰向けだと、舌が下がると気道に入ってしまい、呼吸が苦しくなりいびきをかくようになります。
仰向けでいびきをかいているのは、眠っている間にストローで風船を膨らませているのと同じような状況です。
人間は7時間寝ている間に、約4000回呼吸をしているといわれています。
約4000回もストローで風船を膨らませていると思うと、息が苦しくなるのも頷けます。
睡眠をとっても身体は休めず、起きた時に疲れが取れていないという状況になってしまうんですね。
寝方を変えるだけで、睡眠時無呼吸症候群が改善するとしたら、試してみない手はありません。
ですが、横向きの寝方をキープするのが難しい場合もありますし、横向きでは寝にくいという場合もあると思います。
そんな時は横向き寝をサポートしてくれる枕や、仰向けでも横向き寝で寝ている時と同じように気道が狭くならない姿勢がとれる枕を使うのがおすすめです。
ここからは睡眠時無呼吸症候群の改善が期待できる枕をご紹介します。
横向きで寝る枕はYOKONEシリーズがおすすめ
一般的な枕は仰向けで寝ることを想定して作られています。
いつも使っている枕で横向き寝をすると、高さが足りず肩が窮屈に感じたり、腕がしびれてしまったりすることがあります。
睡眠時無呼吸症候群を改善するためと思っても、寝にくい姿勢ではしっかり眠れないですし、寝ている間に寝やすい姿勢に戻ってしまいますよね。
そこで使ってほしいのがYOKONEシリーズの枕です。
YOKONEシリーズの枕は、横向き寝のために作られた枕です。
今販売されているスタンダードなYOKONEの枕は、YOKONEClasicです。
YOKONEClasicは、人間工学に基づいた独自の形状で横向き寝に適した高さと構造で頭、首、肩にフィットします。
枕の下部に緩やかなカーブをもたせることで、横向きで寝た時の肩回りのフィット感が得られます。
肩がフィットしていないと首を痛めてしまいますが、YOKONEClasicでは朝起きた時に首が痛くなっているという心配はありません。
自然な位置に腕を置ける部分もあるので、横向き寝で起きやすい腕の位置が定まらないという問題も解決してくれます。
YOKONEClasicはリラックスウレタンを使用しているので、あなたの頭にフィットした形状に変化して、頭の重みを効率よく分散してくれますよ。
また枕の両サイドがメッシュ構造となっていて、通気性が抜群なので熱がこもって汗をかきやすい頭から熱を逃がしやすい設計になっています。
快適に眠れる上、カビの繁殖を防ぐことができます。
枕カバーは丸洗いでき、まくら自体のお手入れも陰干しするだけと簡単です。
枕は頻繁に洗濯しづらいので、清潔に保てるのは嬉しいですね。
口コミでも「いびきと無呼吸が軽減した。」「熟睡できるようになった。」「昼間に眠くなることが減った。」と効果を感じている人がたくさんいます。
使用しているウレタンの性質上、使い始めは臭いが気になるかもしれません。
箱と袋から出し、陰干しを1週間程度おこなえば臭いは軽減します。
また使っていくうちに、臭いは無くなっていくので安心してくださいね。
YOKONEシリーズにはYOKONEClasicの上級モデルとして、YOKONE3があります。
基本的な性能はYOKONEClasicと同じですが、高さが調整できるようになっていたり、首のマッサージができる部分がついていたりします。
睡眠時無呼吸症候群の改善のために使うのであれば、YOKONEClasicで十分に効果を感じられると思いますよ。
仰向けで寝たい場合は気道を広くできる枕が良い
睡眠時無呼吸症候群を改善するためには横向き寝が良いことはおわかりいただけたと思います。
しかし横向きではなんとなく寝づらい、身体上の理由で横向き寝ができないという方もいらっしゃるでしょう。
横向きで眠れない場合は、仰向けでも気道が狭くならない姿勢にできる枕があります。
ここでは仰向けでも気道確保ができる枕を1つご紹介します。
〈ブランドゥのGreenEarthDeepRest〉
低反発ウレタンとジェル、7種類の鉱石を配合したグリーンアースという新感覚素材を使用した枕です。
低反発ウレタンはあなたの身体の形に合わせて変化するため、最適な寝心地をキープしてくれ、ジェルの弾力で頭の重みをしっかりと支えてくれます。
7種類の鉱石(ブラックシリカ、トルマリン、珪藻土、銀、ゲルマニウム、炭、ケイ素)は癒し効果を期待して、配合されているんですよ。
上記でご紹介したYOKONEシリーズと同じように人間工学に基づいた形状をしています。
気道が狭くならないためには、額よりあごの先端が5度ほど下がっている状態が良いとされ、睡眠健康指導士の資格を持つスタッフがその姿勢を実現できる形を考えました。
いびきのない静かな眠りを得るために最適とされる形となっています。
仰向け用の枕ですが、横向きで寝ても気道が狭くなることなく、静かに眠ることができるんです。
頭が沈み込まないように、重みを支える芯も入っているんですよ。
高さがロータイプとレギュラータイプとあるので、あなたに合った高さの枕を選びましょう。
肌に触れるカバーも滑らかで質感のよいテンセルが使われています。
シルクを超えるといわれたテンセルを使い、一つ一つ丁寧に縫製された枕カバーで気持ちよく眠ることができますよ。
口コミでも「いびきが抑えられた。」「いびきの悩みが解消した。」「鼻呼吸できるようになった。」といびきに悩む多くの人に支持されています。
睡眠時無呼吸症候群は適切な治療で改善できる

睡眠時無呼吸症候群を改善するグッズを紹介してきましたが、グッズでは改善できない場合ももちろんあります。
睡眠時無呼吸症候群は放っておくと、10年後には10人中3~4人が死亡するといわれている病気です。
睡眠時に呼吸がうまくできずしっかり眠れていないと、日中に眠気という形で支障が出ます。
車の運転中に睡眠時無呼吸症候群による眠気に襲われたら、交通事故を引き起こしてしまう可能性もあります。
「今すぐどうこうなるわけではないから治療を受けるほどではないか。」と放置しておくのは、やめてください!
睡眠時無呼吸症候群は、病院で医師から適切な治療を受けることで、症状が改善する病気でもあります。
睡眠時無呼吸症候群のタイプによって適切な治療は異なりますが、多くの場合は経鼻的持続陽圧療法(CPAP)という治療をおこないます。
ここからは睡眠時無呼吸症候群のタイプやなりやすい人、それぞれに合った治療法について解説します。
睡眠時無呼吸症候群のタイプとなりやすい人を解説
睡眠時無呼吸症候群は、閉塞型、中枢型とこの2つが混ざった混合型の3種類のタイプがあります。
3種類のタイプは気道が狭くなる原因に違いがあります。
〈閉塞型〉
口や鼻から肺の入り口である声帯にいたるまでの空気の通り道が細くなることで、睡眠中に呼吸が浅くなったり止まったりするタイプです。
睡眠時無呼吸症候群の大部分を占めるのが、この閉塞型となっています。
睡眠中はのどの緊張がゆるみ、誰でも気道は狭くなりますが呼吸が止まるほど狭くなることはありません。
しかし肥満の人は、のどへ脂肪がついていることが多く、睡眠中にのどの緊張がゆるむことで舌の付け根が気道に落ち込んで、空気の通りが悪くなります。
もともと空気の通り道である気道に脂肪がついていることで細く、そのうえ舌も落ちてくるため呼吸が止まりやすいというわけです。
肥満以外にも、扁桃腺や口蓋垂(のどちんこ)が大きいなどのどの奥の形や、下あごが小さいなどあごの骨格の問題、歯並びが悪いなども原因となります。
〈中枢型〉
神経系の病気などで、呼吸を調整する脳の働きが低下しているために、睡眠時無呼吸症候群となっているタイプです。
〈混合型〉
閉塞型と中枢型の両方に関係するタイプで、呼吸や睡眠の機能が落ちてしまう高齢者による睡眠時無呼吸症候群が混合タイプにあたります。
睡眠時無呼吸症候群の治療をタイプ別に解説
〈経鼻的持続陽圧療法(CPAP)〉
睡眠時無呼吸症候群で最も多くおこなわれている治療は経鼻的持続陽圧療法(CPAP)です。
ほとんどの睡眠時無呼吸症候群の患者さんに有効な治療法と言われています。
CPAPは睡眠時に特殊な機械で、鼻につけたマスクから圧力をかけて空気を送り込む方法です。
ネーザルシーパップやナザールシーパップとも呼ばれています。
睡眠時無呼吸症候群以外でも、私が以前働いていたNICU(新生児未熟児集中治療室)にいる呼吸状態の悪い赤ちゃんに使われていました。
鼻から強制的に圧力をかけることで、常に軟口蓋や舌を押し上げて気道を広げ、無呼吸の発生を防ぐことができます。
副作用はほとんどありませんが、寝ている間にずっと空気を送り込まれているのでのどや鼻の乾きを感じることがあります。
初めは不快に感じても、徐々に慣れてきますよ。
どうしてものどや鼻の乾きが気になる場合は、加温加湿器を使用すると改善することもあります。
またマスクの締め付けによって痛みが出ることもあるようです。
痛みが出る時は、マスクが顔に合っていないことが考えられるので医師と相談してみましょう。
顔に合ったマスクを選択することは治療効果をあげるためにも、適切な睡眠をとるためにも重要です。
鼻の形や大きさ、顔の形にフィットするマスクを選んでくださいね。
CPAPに使われる機械はハンドバッグ程度の大きさで重さも【1~3㎏】のため、鞄に入れて持ち運ぶことも可能なため、旅行や出張にも持っていくことができますよ。
日々のお手入れも難しいことはなく、使った後にマスクを濡らした布で拭くだけでOKです。
CPAPを使い始める時は短期間入院が必要ですが、最短で一泊二日で済むこともあります。
また体調の確認や機械の調整のために、月に1回は受診しましょう。
〈手術や口腔内装具による治療〉

明らかにのどの奥の形や、あごの形に問題があるなど耳鼻科的な異常がある場合は、手術やマウスピースなどの器具を使っての治療がおこなわれます。
子どもの睡眠時無呼吸症候群は、アデノイドや扁桃の肥大が原因であることが多いので手術が一番に選択される治療法となります。
睡眠時無呼吸症候群の治療で、最も一般的におこなわれる手術は口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)です。
口蓋垂(のどちんこ)、口蓋扁桃、軟口蓋の一部を切除して気道を広げるという手術で、睡眠時無呼吸症候群の約50%の患者さんに有効となっています。
術後、手術による傷が治るまで激しいのどの痛みがあり、鼻声になる、水を飲み込むと鼻から逆流しやすくなるというデメリットがあります。
口蓋垂軟口蓋咽頭形成術以外にも、鼻の内部(鼻中隔)の手術などもありますが、患者さんの状態によって合う手術は違うので詳しくは専門の耳鼻咽喉科医に相談しましょう。
手術のほかには歯科装具であるマウスピースによる治療があります。
睡眠時無呼吸症候群の治療に使用されるマウスピースは、睡眠障害の専門医と連携している経験豊富な歯科医師に作成してもらいます。
下あごを固定するマウスピースで、軽度~中等度の睡眠時無呼吸症候群の患者さんに使われること多いです。
CPAPとの併用を進められることもありますよ。
歯科医師に作成してもらうマウスピースは2004年から歯科での健康保険が適用になりました。
病状によっては適用とならない場合もあるので、主治医とよく相談することをおすすめします。
〈呼吸を刺激する薬剤を使用する治療〉
呼吸を刺激する薬剤のスプレーを使用する治療が閉塞型と中枢型の睡眠時無呼吸症候群の患者さんにおこなわれます。
黄体ホルモン(メドロキシプロゲステロン)や眼圧降下剤(アセタゾラミド)が軽度の睡眠時無呼吸症候群の治療薬として使用されることがあります。
中等度~重症の睡眠時無呼吸症候群の患者さんには有効ではありません。
〈酸素療法〉
心臓や呼吸器に疾患のある患者さんの場合、低酸素状態を改善するためにCPAPと酸素吸入療法を併用して治療をおこないます。
心臓や呼吸器に疾患があると、ただ空気を送り込んでも酸素をうまく身体に取り込むことができません。
そのため圧力をかけて空気を送り込みながら、酸素も送り込むことで身体の低酸素状態を改善します。
CPAPの鼻マスクに直接酸素のチューブを通すことで、CPAPと酸素吸入を同時におこなうことができます。
〈生活改善〉
医師との治療のほかに、生活の改善も睡眠時無呼吸症候群においては必要です。
上記でもお伝えしましたが、軽症の場合は横向きで寝ることで症状が改善しますし、肥満の場合は減量することで無呼吸が減少することがあります。
またタバコを吸うことで血中の酸素を低下させたり、のどの炎症を起こしたりして、睡眠中の呼吸に悪影響です。
睡眠時無呼吸症候群の改善だけでなく、肺がんなど他の病気を予防するためにも禁煙することをおすすめします。
のどの緊張を低下させるアルコールや睡眠導入薬、抗不安薬や筋弛緩薬などの精神安定剤はできるだけ控えるようにしましょう。
アルコールは少なくても寝る4時間前までに飲むようにすると良いですね。
アルコール以外の薬に関しては、服用することが必要な人もいるので主治医とよく相談して量などの調整をすると良いでしょう。
まとめ

- 睡眠時無呼吸症候群を改善するグッズには、口閉じテープや舌を固定するマウスピース、枕がある
- 起床時に口が乾いているタイプの睡眠時無呼吸症候群には、口呼吸を改善するグッズが有効
- 起床時に口が乾いていないタイプの睡眠時無呼吸症候群には、舌を固定するグッズで無呼吸の改善が期待できる
- 睡眠時無呼吸症候群を改善する寝方は、横向き寝
- 横向き寝をサポートする枕はYOKONEシリーズがおすすめ
- 横向き寝がしづらい場合は、仰向けでも気道が確保できる形の枕が良い
- 睡眠時無呼吸症候群の治療で最も多くおこなわれているのは、経鼻的持続陽圧療法(CPAP)である
睡眠時無呼吸症候群は放っておくと危険な病気です。
気になる症状があるけれど、すぐに病院にいけない場合は、まず睡眠時無呼吸症候群を改善するグッズを使ってみましょう。
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