雑貨屋さんで働いていた時、ブラックボードにポスカでPOPをよく書いていました。
ポスカはキレイに発色するため大好きなのですが、書き直すときにはインクが乾ききっているのです。
当時は消す方法がわからなかったので、水をつけてゴシゴシこすり落としていました。
でもこの方法ってすごく疲れるし時間もかかるので、終わったころには汗だくになっていたものです。
しかし、今回ポスカの特徴を調べてみると、エタノールなどで簡単に消す方法があるとわかりました!
この消す方法はブラックボードだけでなく、写真や布にも当てはまると判明したため、一緒にご紹介します。
記事中でも紹介していますが、ポスカを消すには同じエタノールでも無水エタノールがおすすめです。
濃度が高く蒸発しやすいことから、精密機器の掃除にも適していますよ。
店舗で使う場合には、ブラックボードの文字消しや清掃など、いろいろ使い勝手が良くおすすめです。
目次
ポスカを消す方法と使い方を大公開!

ポスカを消す方法としては、以下の方法があります。
- 濡れた布などで拭く
- エタノールやアルコールを使う
- 専用クリーナーを使う
- 塗料用シンナーを使う
これらをコットンや布につけて拭きますが、落ちにくい場合は液体をコットンや布にたっぷり染みこませてインクに乗せ、数分置いて拭き取ります。
ポスカの特徴を理解して素材に応じて使用するものを選ぶことで、ポスカを簡単に消すことができます!
書いてから時間がたっていない場合は水でも消える
ポスカが完全に乾ききっていない段階なら、水で濡らしたペーパーや布で簡単に落ちますよ!
あなたが間違えて書いてしまったのなら、すぐに水で拭きましょう。
ポイントは、水を多めに含ませてから拭くことです。水の量を少なくするとインクがにじんで余計汚くなってしまいます。
また、乾燥が進んで少し固まってしまった場合は、水拭きで以下の方法を試してみてください。
- 濡らしたふきんを消したいマーカーの上にかぶせ、しばらくそのまま置いておく
- その後、固く絞った雑巾でゴシゴシ拭く
乾いたインクをもう一度湿らせてから消す方法ですが、時間を置いても簡単に水気が入るわけではないので、少し根気がいる作業です。
アルコールで消すなら無水エタノールがおすすめ
水で簡単に落ちない場合は、エタノール(またはアルコール)をコットンなどに含ませて、乾いたインクをこすって消す方法があります。
ここで一番おすすめなのは、濃度が最も高い「無水エタノール」を使うことです。
エタノールの正式名は「エチルアルコール」といい、アルコールの一種です。
エタノールの場合は、濃度によって用途が変わってきます。
無水エタノール | 消毒用エタノール | |
濃度 | 99.5vol%以上 | 76.9~81.4vol% |
蒸発しやすいか(揮発力) | 水分が少ないため蒸発しやすい | 水分が多いため蒸発しにくい |
汚れの落としやすさ | 落ちやすい | 少し落ちやすい |
おすすめの用途 | 水が使えないところの清掃 | 消毒 |
無水エタノールの濃度は、99.5vol%以上と一番濃度が高く、水分をほとんど含みません。
簡単に蒸発することと洗浄力が高いという利点により、水を使えない場所の清掃に最も適しています。さらに二度拭きも不要です。
もし無水エタノールを使う場合は、以下の点に気を付けてください。
- 引火性が強いため、火気厳禁
- できるだけ素手の使用を避けて、ゴム手袋を使う
- 換気をする
- 樹脂加工されたものには使用しない
対して、消毒用エタノールは76.9~81.4vol%と濃度は低めで、無水エタノールよりも水分を含みます。
無水エタノールでは濃度が高すぎて皮膚の水分を奪ってしまいますが、消毒用エタノールは蒸発しにくくその場にとどまる性質があるため、消毒に適した濃度なのです。
もし素手で作業をしなければいけない場合や、樹脂加工を施したブラックボードなどのポスカを消す場合には、洗浄力は劣りますが消毒用エタノールを使ってもいいでしょう。
- エタノールを板にスプレーし、2〜3分ほど時間を置いてから拭く
- 落ちない時は、コットンなどに液体を多めに染み込ませ、落ちにくい部分に置く
- 少し時間を置いてから拭き取る
水拭きと同じような要領ですが、少しの時間だけエタノールを文字に染み込ませておくことで、楽に消すことができますよ!
また消毒用エタノールが手に入らなければ、消毒用アルコールも同じくらいの濃度なので使ってみてもいいですね。
ただし燃料用アルコールは用途が違うので、絶対に使わないよう気をつけましょう!
専用クリーナーや塗料用シンナーでも消せる
消しにくいインクを簡単に消せるよう、専用クリーナーを販売しているメーカーもありますよ。
ブラックボードの場合、専用クリーナーがメーカーから販売されています。
- ブラックボード専用クリーナー 強力タイプ
- ブラックボード専用 消字クリーナー
- ブラックボード専用クリーナー
- ブラックボード専用イレーザー
強力タイプもあるので、頑固な文字を消したいときにぜひ使いたいですね!
クリーナーには「〇〇専用」と書いてあるため、ブラックボードにはブラックボード専用を、ホワイトボードにはホワイトボード専用のクリーナーを使うようにしましょう。
また、どうしても落ちない場合の最終手段には、塗料用シンナーを使うこともおすすめします。
塗料用シンナーは塗料を薄める性質があり、ホームセンターなどで販売されています。
どちらも、先程のエタノールと同じ方法で消すといいですよ。
ただしシンナーの場合は、換気のいいところで作業することや、匂いを吸いすぎないことなど、取り扱いに注意点があります。
使い方を間違えると身体に悪影響が出ることもあるため、最終手段にした方がいいです。
また、塗料用シンナーの代用品として、洗浄力は劣りますが除光液も使えます。
除光液の主成分であるアセトンに含まれる「トルエン」という成分は、シンナーの一種でもあります。
除光液特有のツンとした匂いはこれが理由なのかもしれませんね。
このアセトン(トルエン)という成分によって、ポスカをキレイに落とすことができます!
除光液に含まれるアセトンやトルエンに関しては毒性が低いため、換気して使用すれば特に問題はありません。
除光液でしたら100均でも販売されているため、簡単に入手ができますね!
メラミンスポンジは素材によっては使わない方がいい

メラミンスポンジは落ちにくい汚れをキレイに落としてくれるため、掃除アイテムの必需品ですよね。
ポスカを消す方法としてメラミンスポンジを使う人もおられ、実際にブラックボードなどもピカピカに消すことができます。
しかし、メラミンスポンジを使うことは素材によって避けた方がいいです。
なぜなら、メラミンスポンジはポスカなどの塗料だけでなく、書かれている素材の塗装まで消してしまうことがあるからです。
机や棚など、せっかくきれいにコーティングされているニスが取れてしまい、一部分だけガサガサになってしまったら嫌ですよね。
もし使うのでしたら、隅っこ部分で試しに磨いてみて、問題なさそうでしたら使用してみるといいでしょう。
コーティングがされていない素材でしたら、メラミンスポンジでささっと磨くことで、材質を傷つけることなくキレイに落とせますよ!
ポスカが消しにくい理由は耐水性があるから
ポスカとは、三菱鉛筆から販売されている水性顔料のマーカーです。

水性と聞くと水で簡単に落ちると思いますが、顔料タイプのマーカーは耐水性に優れているため、乾ききってしまった場合は簡単に水では落ちないような作りになっています。
ポスカの用途は紙だけでなく、ガラスやプラスチックにも使うことができます。特にカフェなどのお店ではブラックボードに使用することも多いです。
水性マーカーの場合は、溶剤が水のためキレイに発色し、白地だけでなく黒地に塗っても色が映えます。
しかし水性マーカーの種類によっては、落とすことが目的のマーカーと、落ちないことを目的としたマーカーがあるのです。
顔料の特徴を見ると、水では消しにくいということがわかります。
- 水や油に溶けない性質を持っている
- 耐水性があり、にじまない
- 耐光性があり、紫外線で色褪せしない
顔料が含まれているマーカーは、どちらかというと落ちないことを目的として作られているのですね。
雑貨屋さんで汗を流しながらポスカを消していた、当時の私に教えてあげたいです。
ポスカを消す方法は写真にも使える!

ポスカはブラックボードやガラスだけでなく、写真にも書き込めます。
通常の水性マーカーと異なり顔料が入っているため、写真の塗装に弾かれず書くことができるのです。
私の高校時代、修学旅行などで撮った写真に友人とポスカで落書きして、アルバムを作成したことがありました。
しかし、友人の結婚式でスライドショーを作るときに、落書きしていない写真が1枚もなかったため、友人と必死に落書きを消していたものです。
もしあなたが写真に書いたポスカを消すのでしたら、消す方法は水やエタノール、または除光液を使うことです!
写真を傷つけたり変色をしたりしないよう、どちらの方法も手早く気を付けて消していくことがポイントです。
レジンコーティングの写真なら水や除光液で消せる!?
現在出回っている写真と呼ばれる用紙といえば、写真屋さんやネットプリントで現像してもらう「印画紙」、コンビニや家庭で印刷できる「フォト(写真用)光沢紙」があります。
現在印画紙のタイプは、「レジンコーティング紙(RC紙)」と「バライタ紙」の2種類があります。
- 主に写真屋さんの現像に使われている
- 表面にゼラチン液を分散させたバライタ紙の両面に、樹脂加工(レジンコーティング)を施したもの
- 高級感があり水濡れに強く、長期間色褪せしにくい
現在ほとんどの写真屋さんでは、このレジンコーティング紙を使って現像してくれます。
レジンコーティングされた印画紙は水を吸いにくいため、この場合ポスカを消す方法は水やエタノール、除光液を使うことです!
裏面も加工されているため、水をつけてそのまま乾燥させてもシワになったり写真がたわんだりしにくいのです。
注意点としては、こすりすぎないことと、水温30度以下の水で作業をすることです。
加工された樹脂を傷つけて写真のすぐ表面にあるゼラチン部分が柔らかくなると、大切な写真をダメにしてしまう可能性があります。
さらに、水温が30度以上の水をつけるとゼラチン質が温まって溶けてしまうこともあるので、ぬるま湯などで作業しないようにしましょう。
作業をするときは不要の写真に液体を試し付け、リハーサルしてから試みましょう!
バライタ紙に書いたポスカを消すなら慎重に!

一方、バライタ紙(ファイバーベース紙またはFB紙)とは古い写真の現像方法です。
写真用の用紙にゼラチン液を分散させたバライタ層(硫酸バリウム)を塗布し乾燥させた写真です。
1枚の現像に手間と時間を必要としますが、特にモノクロ写真はキレイに仕上げることができるので、写真愛好家たちは現在もこの手法で現像をされています。
もしどうしても消さなければならない場合は、裏面を固定する「水張り」という作業後、水で消したほうがいいです。
- 必要なもの
写真
木製パネル(写真と同じ大きさ)
水張りテープ
ハケ
- 水張りテープを木製パネル四隅分カットしておく
- 写真の裏面にハケで水を塗って数分放置し、水を染みこませる
- 水張りテープにハケで水を塗り、写真1か所の隅に張り付ける
- 木製パネルに写真を貼り付けていく
(画用紙とパネルの空気を抜きながら行うこと) - 残り3か所を3~5の手順で行う
なぜ固定をさせるかというと、レジンコーティングのように裏面が加工されていないため、水を使い乾燥させたときにシワやたわみができてしまうからです。
もう一つのポイントは、裏面を固定した後、筆などで慎重に水で溶かしていくことです。
表面も加工されていないため、ゼラチン質が傷ついてしまうと写真を劣化させてしまうからです。
表面を傷つけることなく消すことができれば、大切な写真を元通りキレイにできますよ!
フォト光沢紙に書いたポスカは消すより再印刷しよう!
もしあなたの消したい写真がコンビニなどのコピー機で印刷したものでしたら、写真ではなくフォト光沢紙である可能性が高いです。
その場合は水などをつけて消す方法が難しいため、データやバックアップを探して再印刷したほうがいいです。
2021年現在は、デジカメやスマホで写真を撮ることが増えたため、手軽に写真印刷ができるようにコンビニなどのプリンターも写真対応になっています。
私の近所にある古い写真屋さんへよく現像に出していましたが、時代の流れで廃業してしまったので、現在はコンビニで写真印刷を利用しています。
しかし印画紙のような「紙の写真」とは違い、コンビニや家庭用の印刷されたものは、あくまでも白い紙にインクを付けた「印刷物」なのです。光沢を出しても「写真」にはなれないのです。
耐水性の低いフォト光沢紙や、書いて年数が経ってしまったものに関しては、水をつけて消そうとすると印刷物の画像までにじんでしまう危険性があります。
耐水性のあるフォト光沢紙も出回っているため、そちらから印刷されたものでしたら、ポスカを書いたとしても水で消せるかもしれないので、端っこに水を塗って確認してみるといいですよ。
もしにじんでしまったらすぐに作業を中止して、諦めてデータが残っていないか探しましょう!
データが残っていたら再印刷をすれば、新品の写真として使えますね!
ポスカを消す方法は布にも適している!

ポスカやペンを使用していると、誤って服についてしまうことがあります。
特に、白い服やテーブルクロスなどのキレイな布にポスカがついてしまったら悲惨ですよね。
安心してください、布についてしまったポスカを消す方法は、洗剤や石けんを使います!
- インクの場所にアルカリ洗剤または固形石けんをつける
- 繊維からインクをもみだすように洗う
ポスカが乾いてしまった場合の消す方法も、一緒にご紹介しておきましょう。
- 中性洗剤をポスカ部分につける
- 爪でカリカリとはがすように、こすり取る
布の素材によってはこの方法で消えるものもありますので、綿素材でなくても試してみる価値はあります!
しかし、綿素材であっても時間がたってしまい、消えないこともあるかと思います。
その場合、最終手段として塗料用シンナーを使いましょう!
小さい範囲でしたら、中性洗剤でこすり洗いをして薄めた後に除光液でこすり落とす方法もありますよ!
この消す方法を知っておけば、あなたもポスカで汚してしまった場合はすぐに消すことができるので、大切な衣類を長く着ることもできますね!
まとめ

- ポスカを消す方法は、水・エタノール・専用クリーナー・塗料用シンナーを使う
- 書いて時間がたっていない場合は塗料が乾ききっていないため、水で簡単に消せる
- エタノールで消す場合は、無水エタノールのほうが消えやすい
- 塗料用シンナーは取り扱いに注意が必要のため、最終手段とする
- メラミンスポンジでも消えるが、素材に影響することもあるのでこすりすぎない
- 写真のポスカを消す方法は、水かエタノール、または除光液を使う
- 衣類にポスカがついてしまった場合は、洗剤や塗料用シンナーを使う
頑固で消えにくかったポスカがキレイに消せると、気分がスッキリしますね!
特にブラックボードがキレイに消えると、私だったら次に何を書こうかワクワクしてきます。
あなたもポスカをどんどん活用して、もし簡単に消せなくなってしまったらこの消す方法を試してみてください!