2016年(平成28年)1月より導入されたマイナンバーカードには、電子証明書というものが付いています。
電子証明書というのは、オンライン上で、印鑑証明書の役割をするものです。
重要な情報が入っているマイナンバーカードの電子証明書は、便利な反面、紛失や盗難、暗証番号の管理など、余計な心配が増えるというデメリットがあるのも事実です。
マイナンバーカードに電子証明書を付けることにデメリットがあるのなら、そんなものはいらないと思うかもしれませんね。
しかし、デメリットと思える点も、あらかじめ知っておくことで、必要な対策がとれるかもしれません。
ここではマイナンバーカードの電子証明書にまつわるデメリットや、その仕組みについて、わかりやすく解説していきます!
マイナンバーカードのケースは事務的で殺風景ですよね。
このマイナンバーカードケースは、自分の顔写真部分は猫の画像になっているのでとっても可愛いんです。
可愛さ満点なのに、しっかりと個人情報を保護してくれますよ。

目次
マイナンバーカードの電子証明書のデメリットは何?

マイナンバーカードがスタートした時にはメリットばかり強調されていたので、デメリットだって絶対にあるはずだと、私自身も疑わしい気持ちを持っていました。
マイナンバーカードの電子証明書にデメリットはあるのでしょうか。あるとしたらどんなことなのでしょう。
マイナンバーカードの電子証明書のデメリットは?
政府が声高に導入したマイナンバーカードは、メリットばかりが強調されているように感じます。けれども、どんなものにもメリットとデメリットがあるはずです。
マイナンバーカードの電子証明書のデメリットとして考えられるものを挙げてみましょう。
- オンライン上で使用される為、セキュリティのリスクがある
- マイナンバーカードの紛失や盗難でトラブルに巻き込まれるリスクがある
- 署名用電子証明書は誤入力5回、利用者証明用電子証明書は誤入力3回で暗証番号がロックされる
- 暗証番号がロックされると市区町村の窓口で暗証番号の初期化と再設定の手続きを行わなければならない
- 有効期限が5年間なので5年毎に市区町村の窓口に更新手続きに行かなければならない
- 電子証明書の有効期限よりマイナンバーカードの有効期限が早い場合はマイナンバーカードと共に失効する
- 署名用電子証明書は住所や氏名、性別が変わると失効し、再発行手続きが必要となる
セキュリティのリスクや紛失・盗難でトラブルに巻き込まれるリスクは避けたいですが、これはマイナンバーカードの電子証明書に限ったデメリットではないと思います。
暗証番号を忘れたらロックがかかり、再設定の為に市区町村の窓口に本人が行かなければならないというのが、一番のデメリットといえるのではないでしょうか。
マイナンバーカード受け取りの際に電子証明書の説明をされても、よくわからなかったという人が多いと思います。
電子証明書がよくわからなくても、手続きの流れに沿って係の人に促されるままに暗証番号を決めたというパターンが多いのではないでしょうか。
だから、いざ電子証明書を使う場面で、暗証番号を覚えていないという事態に直面してしまうのですね。
既にマイナンバーカードを持っているあなたは、電子証明書の暗証番号をもう一度確認してみましょう。
マイナンバーカードを受け取りに行った際にあなたが暗証番号を決めて、係の人に入力してもらっているはずです。暗証番号を書いた用紙をどこかに保管していませんか。
これからマイナンバーカードを作ろうと思っているあなたは、暗証番号を記入した用紙をわかりやすい場所に大切に保管しておきましょう。
また、マイナンバーカード自体の有効期限は10年ですが、電子証明書の有効期限は5年です。
5年毎に更新手続きに市区町村の窓口に行くのも意外と面倒ですよね。これもデメリットといえるでしょう。
ただし、更新手続きはあなた本人だけでなく、ご家族などの代理人でもすることができるので覚えておくといいでしょう。
電子証明書の暗証番号がオンラインで照会できたり、変更できたりすれば便利ですよね。
更新手続きもオンラインで可能になれば、デメリットはかなり減ると思います。
これから行政の手続きなどはオンライン化がどんどん進んでいくことでしょう。
せっかくマイナンバーカードを作るなら、電子証明書のメリット・デメリットを理解して、フルに活用していきたいですね!
オンライン上で使う電子証明書って何だろう?
電子証明書というのは、オンライン上で印鑑証明書の役割をするものだと言いました。
この行為はあなた本人が行っています、ということを証明するのが電子証明書の役割です。
対面での書面のやりとりでは、署名捺印や印鑑証明書があなた本人の行為だと証明することができます。
しかし、オンライン上では印鑑を押すことができませんよね。
そんな時に役立つのが、マイナンバーカードの電子証明書なのです。
マイナンバーカードの電子証明書を使えば、確定申告はわざわざ税務署に出向かなくても、e-Taxでオンライン申告ができます。
また、マイナンバーカードの電子証明書を使ってコンビニのマルチコピー機から住民票や印鑑証明書も出せるようになりました。
これは、電子証明書があなたの印鑑証明書の役割をして、あなた本人の行為であることを証明してくれるからです。
ではまず印鑑証明書とはどんなものか、簡単に説明しましょう。
マンションの購入など重要な契約の場合には、署名捺印だけでなく、捺印した印鑑が確かにあなた本人の印鑑であることを証明する印鑑証明書が必要になります。
この印鑑証明書をもらうには、事前に市区町村の窓口に出向いて、あなたの印鑑を実印として登録し、印鑑登録証カードを発行してもらう手続きが必要です。
重要な契約などをする時に使う印鑑は、この実印登録をした印鑑でなければなりません。
他人があなたの名前の印鑑をどこかで買って、勝手にそれを押してしまったとしたらどうでしょう。
大丈夫です。印鑑証明書がなければあなたの印鑑だと証明できませんから、その行為は無効となります。
このように印鑑証明書があることで、なりすましの犯罪を防ぐことができるのです。
オンライン上では電子証明書があなた本人の行為であることを証明してくれるので、なりすましの犯罪を防ぐことができるのです。
マイナンバーカードの電子証明書には2種類ある
マイナンバーカードの裏面にあるICチップの中には署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書の2種類の情報が格納されています。
印鑑証明書は市区町村の窓口で発行しますが、電子証明書は認証局という機関から発行されます。
電子証明書はICカードに格納する方法と、ファイルで取得する方法があります。
マイナンバーカードはICカードに電子証明書を格納しています。
マイナンバーカードの申し込みの際に不要と申告をしない限り、電子証明書は原則的に付くようになっています。
文章だけではイメージしずらいかもしれませんので、下記の図で説明してみましょう。

【署名用電子証明書】
〈暗証番号は6〜16桁の英数字〉
- インターネットなどで文書を作成・送信する際に、あなた本人の署名として利用する(送信されたデータが改ざんされていないことを証明する役割がある)
- e-Tax(オンラインで確定申告をする仕組み)などの電子申請、オンラインバンキングの登録などで使用する
【利用者証明用電子証明書】
〈暗証番号は4桁の数字〉
- インターネットサイトやコンビニなどのマルチコピー機にログインする際に、あなた本人がログインしたことを証明する為に利用する
- e-Taxへのログインや、コンビニでの住民票・印鑑証明書などの交付に使用する
マイナンバーカードのICチップの中に入っているのは、表面に記載されている住所や氏名等の基本的な情報と、署名用電子証明書、利用者証明用電子証明書の情報だけです。
所得・税金・年金などの情報はICチップに入っていないので、万が一、カードの紛失や盗難にあった場合でもプライバシー性の高い情報について盗まれる心配はありません。
ICチップに電子証明書が格納されていると言っても、まだピンとこないかもしれませんね。
ICチップを鍵付きの引き出しとイメージしてみてください。鍵を開けるのは、あなたが設定した暗証番号です。
6〜16桁の英数字の暗証番号を入れて1つ目の引き出しを開けると、署名用電子証明書が入っています。
4桁の暗証番号を入れて2つ目の引き出しを開けると、利用者証明用電子証明書が入っています。
身近にあるものに置き換えて考えると、ICチップに格納されるというイメージが頭にすんなり入ってくるのではないでしょうか。

マイナンバーカードの電子証明書が期限切れしたら?

マイナンバーカードの電子証明書には有効期限があります。
期限切れになると電子証明書の効力は失効してしまいますが、有効期限の2〜3ヶ月前には有効期限通知書が送られてくるので、それほど不安に思う必要はありませんよ。
電子証明書の有効期限は発行日から数えて5回目の誕生日です。
例えば4月1日生まれの人が2021年12月1日に電子証明書を作ったら、5回目の誕生日は2026年4月1日なので、この日が有効期限になります。
更新の手続きは、あなたの誕生日の3ヶ月前から可能となります。
有効期限通知書が届いたらなるべく早めに更新手続きをすると、期限切れになる心配はないですね。
電子証明書が期限切れになっても、マイナンバーカードの有効期限内は身分証明書として使うことができます。
また、電子証明書は期限切れになった後でも無料で再発行が可能です。
マイナンバーカードの電子証明書の更新手続きや再発行手続きは、どちらもあなたの住民票がある市区町村の窓口で行います。
マイナンバーカード自体の有効期限は発行日から数えて10回目の誕生日になります。先ほどの例だと2031年4月1日ですね。
電子証明書の有効期限の5年後だと思われそうですが、電子証明書は後付けもできるので必ずしも5年後とは限りません。有効期限が二つあるのは少々ややこしいですね。
マイナンバーカードが失効した場合には、電子証明書が有効期限前であっても、同時に失効します。
また、マイナンバーカードの表面には20XX年XX月XX日まで有効という印字がありますが、電子証明書の有効期限は印字されていません。
私がマイナンバーカードを作った時の案内書には、電子証明書の有効期限は自分で記入するか市区町村の職員に記入を依頼するようにと書いてありました。
有効期限の記入を忘れて空欄のままだと、電子証明書を付けなかったのではと不安になりますね。
6〜16桁の英数字の暗証番号と4桁の数字の暗証番号を設定した覚えがあれば、電子証明書を付けたということになりますよ。
特に意識して電子証明書を付けた覚えがなければ、マイナンバーカードの発行日が電子証明書の発行日と考えてよいでしょう。その5年後が有効期限になります。
また、有効期限を確認する方法として、ICカードリーダライタをパソコンに接続し、マイナンバーカードを読み取らせて確認するという方法もあります。
もしもあなたが20歳未満でしたら、マイナンバーカードの有効期限も電子証明書と同じで発行日から数えて5回目の誕生日になります。
若い人は、5年の間に別人のように変化している場合もあるからでしょうね。
マイナンバーカードの電子証明書は、期限切れになっても後から再発行の手続きが無料でできるということを覚えておくと安心ですね。
マイナンバーカードの電子証明書の更新方法を解説!

ここではマイナンバーカードの電子証明書の更新手続きについて説明します。
マイナンバーカードの電子証明書の更新対象者には有効期限の2〜3ヶ月前に有効期限通知書が送られます。
その有効期限通知書と一緒に更新手続きのご案内のパンフレットも入っているので、よく読んでおきましょう。
電子証明書の更新手続きは、あなたの誕生日の3ヶ月前から可能です。
申請場所は、あなたの住民票がある市区町村の窓口のみです。持参するものは有効期限通知書とマイナンバーカードです。
- 有効期限通知書が送られてくる
(有効期限の2〜3ヶ月前頃) - 市区町村の窓口に出向き手続きする
【持ち物】
- マイナンバーカード
- 有効期限通知書
次に、代理人が申請する手順もご紹介しますね。
もしあなた自身が申請にいけない場合、あなたの代理人が申請することもできます。代理でご家族が申請するというケースもあるでしょう。
代理人が持参するものはあなた本人の有効期限通知書とマイナンバーカード、そして代理人の本人確認書類です。運転免許証や保険証でもOKです。
その他に代理人は、有効期限通知書と同送された照会書兼回答書を封筒に入れて持参する必要があります。
照会書兼回答書には、あなた本人が暗証番号を記入します。その時点であなたが設定している暗証番号です。
電子証明書の更新手続きは、あなた本人だけでなくご家族などの代理人でもできるということを覚えておくといいですね。
- 有効期限通知書が送られてくる
(有効期限の2〜3ヶ月前頃) - 代理人が市区町村の窓口に出向き手続きする
【持ち物】
- マイナンバーカード
- 有効期限通知書
- 代理人の本人確認書類(運転免許証など)
- 封入した照会書兼回答書
※有効期限通知書と同送された照会書兼回答書にあなた本人が暗証番号を記入
まとめ

- マイナンバーカードには電子証明書が付いていて、オンライン上であなた本人の行為であることを証明する
- 電子証明書のデメリットはセキュリティのリスクや紛失・盗難のリスク
- 電子証明書のデメリットは暗証番号を忘れるとロックされ初期化と再設定の手続きに市区町村の窓口まで行かなければならないこと
- 電子証明書のデメリットは有効期限がくる5年毎に更新手続きに行かなければならないこと
- 電子証明書には署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書の2種類がある
- 署名用電子証明書はインターネットなどで文書を作成・送信する際にあなた本人の署名であると証明する
- 利用者証明用電子証明書はインターネットサイトやコンビニなどのマルチコピー機にログインする際にあなた本人であると証明する
マイナンバーカードの電子証明書について、よくわかったでしょうか。
マイナンバーカードの電子証明書にはいくつかデメリットがありましたね。
しかし、マイナンバーカードの電子証明書が便利に使えることも十分わかったことと思います。
この記事を読んで、あなたのマイナンバーカードへの理解が深まりましたら嬉しく思います。
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