ledは信号機や住宅の照明だけでなく、これを見ているパソコンやスマホの画面にも使われています。
寿命が長く、省エネであることから至るところでledへの切り替えが進んでいます。知らないだけで、実はあれもledだったなんてことがあるかもしれませんね。
気軽に手に入る電池を使えば自分でledを点灯させることもできますよ。しかし、ledがなかなかうまく点灯しないこともあります。
ledが点灯しない原因は電圧が足りないことが考えられますが、電圧が足りないこと以外にもいくつかの原因があることがわかりました。
少し調べてみると、ledの色によって必要な電圧が違う事など気になる話も見つけました。
この記事を読めば、ledが点灯しない時に電圧が足りないこと以外の原因がわかり、慌てなくて済むかもしれませんね。
目次
ledの電圧が足りない時は点灯をしないか暗くなる

ledを点灯させるためには、一定以上の電圧を加える必要があります。
その電圧が足りない場合は点灯しないか、もしくは点灯したとしても暗いでしょう。
最近は自宅でDIYや工作をする方が増えましたね。電気回路を正しく作って自作したled照明などがなぜか点灯しない場合は、電圧が足りないかもしれません。
乾電池は基本的に電圧が決まっていますが、ある要因で必要な電圧に足りない状態になってしまうことがあります。
その理由として自然放電や気温が低いなどが考えられます。
この場合は、精度の良い電圧計を使って正確な電池や回路の電圧を測定してみると良いかもしれません。
ledを点灯させるための電圧が足りないとは?
ledが光を発するためには見合う電圧が必要になってきます。
ledは発光ダイオードといい、もともとは電子部品のひとつでした。
そのダイオードが光を発する性質があることから、今のような照明などの使われ方をするようになりました。
これはどんな電化製品でも言えることで、電圧が足りないと使用することはできません。
ここで、簡単に電流と電圧について説明します。
- 電流 流れている電気の量 Aアンペア
- 電圧 電気を送り出す力の量 Vボルト
電圧が足りないということはこの電気を送り出す力が足りないということを意味しています。
ledが電圧不足で点灯しない?考えられる他の原因

電圧が足りないとledは点灯しないことがわかりましたが、ledが点灯しない原因は他にもあります。
いくつか、考えられる事例を挙げますので参考にしてみてください。
電気回路が正しい場合に考えられるのは配線の不備
〈電源、led、CRDのプラスとマイナスが逆になっている〉
電池を使っているとありがちなミスですが、もちろんこれが逆では点灯しません。
電源を逆にしてしまうと、点灯しないどころか過剰な電圧により、最悪の場合は故障してしまうことがあるので要注意です。
CRDとは定電流ダイオードといい、電流を一定に保つ役割をします。
このCRDとledにもプラスとマイナスがあります。こちらも逆にしてしまうと点灯しません。
点灯させる前に、電源、led、CRDのプラスマイナスを確認する癖をつけましょう。
〈ケーブルの不備〉
ケーブルの断線も点灯しない原因となります。また、選んだケーブルの細すぎや長すぎも原因となるでしょう。
この配線の選択を間違えると火災の原因にもなるのできちんと調べることが必要です。
この場合は、断線がないかを確認し、回路にあった正しいケーブルを選ぶことによって解決できます。
〈接触不良〉
ご自分でハンダ付けをした時や、テープ等で接続した時も接触不良となり、点灯しません。
この場合は専門の人に依頼するか、きちんとご自分で技術を習得してから作業するようにしましょう。
配線が正しい場合に考えられるのは電気回路の設定ミス
〈抵抗値の計算が合っていない〉
ledには最大電流値というものが決まっていてこの値よりも小さい電流を流さなくてはなりません。
計算を間違えてしまい、抵抗値が大きすぎために必要な電流が来ないということも点灯しない原因になります。
最大電流値より多く流さないように抵抗器を使いますが、この抵抗器に必要な値は使う電源によって異なります。
そのため、その都度計算する必要があります。
オームの法則をもとに「抵抗値=電圧÷電流」という式を使って正しく計算しましょう。
このようにledが電圧不足以外で点灯しない時には、配線と電気回路をもう一度確認してくださいね。
ledの電圧が足りないのは色が関係していることも?

自作した物が点灯しないのはそのledの色にあった電圧ではないからかもしれません。
ledはその色によって必要な電圧が異なるからです。
青色発光ダイオードを開発して、ノーベル物理学賞を受賞した赤崎勇さんのことを覚えている方も多いでしょう。
三原色である〈赤色〉〈緑色〉〈青色〉が揃ったことで大きく色の表現が広がりました。
その三色の比率を変えて混ぜることでほぼすべての色を再現することができるからです。
今は照明はもちろん、液晶や様々な画面などにも使われていて、私達はその色彩の豊かさに助けられています。
私はイルミネーションを見に行くのが好きで、今までいろいろなところに見に行きました。たくさんの光が彩り豊かに煌めく光景には、いつも感動してしまいます。
ledは消費電力が白熱球よりも少なく済むのでたくさんの光を使うことができます。
これも、ledを開発してくださった方からの大切な贈り物ですね。青色発光ダイオードは開発までに30年もの年月がかかったそうです。
そんなたくさんの苦労を経て生み出された様々な色のledですが、色によって電圧が異なるということについて解説します。
それぞれの色が光るために必要な電圧は何ボルト?
一般的に言われているledの各色の電圧を見てみましょう。
- 赤色、橙色、黄色、緑色は約2.1V
- 青色と白色は約3.5V
よく実験や工作に使われる一般的な電池は基本1.5Vになっています。
つまり2本直列で使えば3V となり、赤色、橙色、黄色、緑色は約2.1Vなので電圧的には足ります。
ですが、使用するledが青色や白色の場合は約3.5Vなので2本では足りないですね。
使いたい色によって、必要な電圧が異なるということを覚えておくと役立つかもしれません。
ledの電圧が低いと生活の中で困ることはある?

日常で起こる電圧の変動は一瞬の出来事でそこまで日常生活に影響はありません。
しかし、電圧が低いとled照明は点灯しないのでは?と疑問に思いますよね。
正確に言うと、供給される電圧というのは電気事業法で決められており一定です。
そのため、電圧が低いということはよっぽどのことがない限りありません。
その維持すべき電圧範囲はこのように決められています。
- 100V 101±6V
- 200V 202±20V
しかし、中にはこのような声もわずかですが、見つかりました。


どちらも短い時間の出来事とはいえ、電圧が関係しているような現象ですね。
実はこれは電圧が低いと起こる現象というより、電圧の変動によって起こる現象でした。
その電圧変動の種類について調べてみました。
日常で起こる電圧変動は瞬間的か一時的なもの
日常で起こる電圧の変動は一瞬の出来事がほとんどです。
しかし、一瞬とはいえ急にこのようなことが起こると不安になる気持ちもわかります。
特に日本のインフラは他国と比較して、しっかりしているので変化があると心配になってしまいますよね。
電圧の変更によって起こる現象があることを覚えておけば、咄嗟の時に慌てずに済むかもしれませんね。
瞬時電圧低下は供給側で起こる瞬間的な電圧変動
瞬時電圧低下とは電源からの供給が絶たれたために電圧が瞬間的に低下する現象です。
これは電力会社の送電配電設備において、落雷などが起こった際に起こることがあります。
これは受電電圧の変動ということなので電圧が低いということではないようです。
大体0.07秒から0.2秒くらいで最長でも2秒以内と言われていますので気づかない方も多いと思いますが、敏感な方は感じるかもしれません。
電圧変動は他の家電が原因の一時的な電圧低下
電圧変動とは、大電流が必要なほかの家電により一時的に電圧が大きく下がる現象です。その変動は±10%と言われています。
この現象に関しては、もしかしたら職場や家庭でも経験のある方もいるかもしれません。
職場で使う特殊な大型のプリンターや家庭でもパワフルなドライヤーなど使う電流が多い機器を使った時に起きます。
最近の家電はインバーター制御機能がついているため起こることはありません。
しかし、古い冷蔵庫やエアコンはそれがついていないため、そのような古い家電を使っているときも起こりえます。
電圧が充分高い場合は、少し電圧が低下した場合でも消灯までには至らず、led照明がピカピカしたように感じるかもしれないですね。
まとめ

- ledが光を発するためには見合う電圧が必要
- ledの電圧が足りない場合以外の原因は配線や電気回路を確認する
- 色によって必要となる電圧が違うため、使用する色の必要な電圧を確認する
- 日常で起きる現象は電圧が足りないわけでなく、電圧の変動によって起こる現象で一時的なもの
ledを使って工作する時や実験をする時は、電圧や配線、回路を必ず確認しましょう。
青色や白色などは他の色に比べて、高い電圧が必要なので、電圧が足りないということが起こりやすいかもしれません。
必ず使う色に見合った電圧をチェックしておきましょう。
そして、日常で起きる電圧変動についても頭の片隅に置いておけば、心配しすぎることはなくなりますね。