断り切れずに焦って契約をしてしまったけれど「やっぱりやめたい」と思った場合、クーリングオフ制度を使って契約を取り消したいですよね!
そんな時に「クーリングオフできない」と言われてしまうと、諦めてしまいがち。
でもちょっと待って!その契約、クーリングオフできるかもしれません。
クーリングオフできないと言われても、契約書をチェックしてみましょう!
契約書が手元にある場合も、契約書を受け取っていなくて手元に無い場合も、一定の条件を満たしていればクーリングオフできます。
それぞれの場合の対処法や、クーリングオフ制度の使い方をご紹介します。
また通販や事業者間の契約など、クーリングオフ対象外の事例もご紹介します。
クーリングオフができないと言われて困っているあなた、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
目次
クーリングオフできないと言われたら契約書をチェック!

街で声をかけられて事務所に連れて行かれて、断れずに商品を購入してしまったなどの経験はありませんか?
自宅に帰って冷静に考えたら後悔した!やっぱり取り消したい!と思うのではないでしょうか。
このように考える時間がない状態で契約をしてしまった場合に、一定の条件を満たすとクーリングオフ制度が適用されます。
消費者保護を目的としており、頭を冷やしてよく考えなおす期間を消費者に与えてくれる。
契約書や申込書などの書面を受け取った日から8日以内(内容によっては20日以内)であれば、理由を問わずに契約の解除ができる。
条件を満たせばクーリングオフの制度が適用されるので、すぐにでも手続きをしたいですよね!
スムーズに手続きができれば良いのですが、クーリングオフしたいと事業者(契約主や販売会社)に申し出をすると、一方的に断られてしまう場合もあるようです。
「今更契約を取り消すことはできない」「もうサービスを開始しているので解除はできない」「契約書に署名したからもう遅い」などの理由で申し出を断られる事例も。
クーリングオフできないと言われると、もうダメなのか、と諦めてしまいそうですよね。
でも諦めるのはまだ早いですよ!事業者からクーリングオフできないと言われても、クーリングオフできる場合があります。
手元に契約書がある場合は内容をチェック!クーリングオフについての条件が書いてあれば、その条件に沿って手続きをしましょう。
契約書を受け取っておらず、手元に無い場合も諦めないで!
契約書がなくても、クーリングオフが適用される業種の契約の場合には、クーリングオフできることがあります。
契約書が手元にある場合と無い場合、それぞれのパターンの場合の確認方法や対処する方法をご紹介しますね。
契約書が手元にある場合
契約書が手元にある場合は、まず契約書の内容を確認してみましょう。
契約書にクーリングオフできると記載があれば、その規定に沿ってクーリングオフができます。
しかし、「●●に該当する場合はクーリングオフできる」というように、限定されていることもあります。
結局どっちなの?と不安になってしまいますよね。そんな時は、以下のチェック表で確認してみましょう。
特定商取引法において、クーリングオフ制度が適用できる取引と期間が決まっています。
契約・購入の内容 | 対象期間 |
①訪問販売(自宅や勤務先など) | 8日間 |
②電話勧誘販売 | 8日間 |
③連鎖販売契約(マルチ商法など) | 20日間 |
④訪問購入 | 8日間 |
⑤業務提供誘因販売取引(内職商法、モニター商法など) | 20日間 |
⑥特定継続的役務提供 | 8日間 |
この中に当てはまるものがあればクーリングオフができますので、次のステップに進んでクーリングオフの手続きを始めましょう。
通常、自分から店舗に出向いて契約をした場合、クーリングオフ制度は適用されませんよね。
しかし特定継続的役務提供の場合は、条件を満たせば例外的にクーリングオフ制度を使うことができます。
特定継続的役務提供は、以下の7つの業種が対象となっています。
- エステティックサロン
- 語学会話教室
- パソコン教室
- 学習塾
- 家庭教師
- 結婚相手紹介サービス
- 美容医療(一部)
こちらの業種に当てはまり、以下の2つの条件を満たしていれば、クーリングオフができるのです。
- 契約金額:5万円を超えるもの
- 契約期間:2ヶ月を超えるもの(エステティックは1ヶ月を超えるもの)
あなたの契約がこちらに当てはまっていれば、早速クーリングオフの手続きを始めましょう!
また、契約書にクーリングオフに関する記載が無い場合もあるかもしれません。
事業者はクーリングオフについて記載することが義務付けられています。
ですので、クーリングオフについて記載が無い場合は法律違反となり、クーリングオフできるのです。
このように契約書が手元にある場合でも、クーリングオフできるケースとできないケースがあります。
あなたが行った契約がクーリングオフできる条件を満たしているかどうか、しっかり確認してくださいね。
契約書が手元に無い場合
クーリングオフしたいけれど契約書を受け取っていない場合、諦めてしまいそうですよね。
契約書がなくても、クーリングオフ制度が適用されるかもしれません!
まずは上記の表を見て、クーリングオフが適用される契約・購入であるかどうか確認しましょう。
もし当てはまる契約ではない場合、残念ですがクーリングオフはできません。
当てはまる契約の場合は、契約書がなくても大丈夫。
クーリングオフが適用されるのは契約書を受け取った日から数えて8日間と決められていますよね。
契約書を受け取っていない場合、8日間を数え始める日(起算日)がありません。よって、いつでもクーリングオフできるということになります。
特定商取引法では、契約書、申込書などの書面を渡すことが義務付けられています。
契約書を受け取っていないということは、事業者側に何かしらの問題があると考えられます。
電話の勧誘による契約も同様で、口頭の契約は書面が残りませんので、契約書等の書面が届くまではクーリングオフができますよ。
契約書が手元に無くてもクーリングオフができるなんて驚きますよね!
契約書が手元に無いからといって諦めるのではなく、あなたに当てはまる事例を見つけてクーリングオフの手続きをしてみましょう!
クーリングオフの通知をする方法
クーリングオフできることが確認できたあなたは、早速クーリングオフの申し出をしましょう。
クーリングオフはいつでもできるわけではなく、契約書または申込書を受け取った日から8日または20日。必ず期間内に申し出をしましょう!
クーリングオフのための書面には、以下の事項を記載します。
- 契約年月日
- 商品名
- 契約金額
- 販売会社
- クレジット契約の場合はクレジット会社の名前
- あなたの氏名、住所
こちらを漏れなくはがきや便箋などの書面に記載し、事業者に送付します。
ただしクレジットカードで支払いをしている場合には注意が必要です。
事業者に通知をしただけではクレジット会社に通知がいかず、代金が引き落とされてしまう可能性があります。
クレジットカードで支払いした場合には、必ずクレジット会社にも通知をするようにしましょう。
クーリングオフの通知をする際のポイントがいくつかありますので、ご紹介しますね。
- 必ず書面(はがきや便箋)で通知を行う
- はがきや便箋は投函する前に、必ず両面コピーを取っておく
- 発信の記録が残る「特定記録郵便」「簡易書留」などで送付する
- クーリングオフができる期間内(8日または20日)に行う
クーリングオフ起算日は、契約書または申込書を受け取った日から算出しますよね。
この計算をする時に注意点があります。受け取った次の日を1日目と計算してしまいがちですが、受け取った日が1日目になります。
例:クーリングオフ可能期間が8日の場合
10日に契約書を受け取ったら、17日までがクーリングオフ可能期間
また、契約書と申込書の両方を受け取っている場合、いずれか早いほうを受け取った日から計算します。
この計算を間違えてしまって、手続きをしたのにクーリングオフできないと悲しいですよね。
契約書を受け取った日を1日目として計算すること、ぜひ頭に入れておいてくださいね。
クーリングオフできない通販に注意しよう!

最近では、インターネット通販でのお買い物が普及していますよね。
私も日用品や電化製品、子供用品など便利な通販を頻繁に利用しています。
通販は実際に商品を見ずにお買い物をするので、思っていた商品と違った、ということもありますよね。
「店舗に行かずに購入したし、クーリングオフ制度を使おう」と考えがちです。
しかし通販でのお買い物には、法律上のクーリングオフ制度がありません。
テレビショッピングやカタログ、ダイレクトメールからの購入も同様です。
クーリングオフ制度は、不意打ち的で、購入するかどうか考える時間がない場合や、複雑な契約ですぐに判断ができないような場合の契約に適用されます。
通販は自分でサイトやカタログを見て、自分の意思で購入しますよね。
自分で考える時間が十分にある通販には、クーリングオフ制度が適用されないのです。
「思っていたデザインと違った」「私には似合わなかった」というのは消費者側の都合になるため、消費者を守るためのクーリングオフはできないのです。
通販で購入した商品を返品できないと言われてショックを受けているあなた!
商品を返品する方法はあるのでしょうか。いくつかのケースをご紹介します。
注文とは違う商品や不良品が届いた場合
注文した商品とは違う商品が届いたり、故障しているなどの不良品が届いた場合、すぐにでも返品したいですよね。
たとえ「返品不可」と書かれていても、このように事業者側に不備がある場合には、返品や交換ができます。
お店に状況を伝えて、対応してもらいましょう。
もし事業者が返品に応じてくれない場合には、返金を求めることもできます。
あなたの都合で返品したい場合
購入した商品が正しく届いたけれど、購入するサイズを間違えてしまったり、思っていたのと違ったから返品したい、ということもありますよね。
そんな時は事業者が設定している「返品制度」を確認してみましょう。
何日後まで返品ができるか、というのは事業者が設定し、ネットショッピングやテレビショッピングの画面、カタログや広告に必ず記載する必要があります。
「返品制度」の記載がある場合には、その内容に沿って返品手続きをすることが可能です。
では返品についての記載がない場合には、どうしたらよいのでしょうか。
この場合、商品を受け取った日を含めて8日間は返品ができると決められています。
特定商取引法で返品についての記載が義務付けられていますので、事業者が義務を守らずに記載していない場合は、返品することができるのです。
返品についてどこにも書いていないからダメなんだ、と諦めるのではなく、返品手続きをしたい時には事業者に問い合わせてみましょう。
ちなみにこの場合は消費者の都合で返品することになりますので、返品費用は消費者が負担する必要があります。
クーリングオフできない事業者間の契約に注意しよう!

クーリングオフ制度は個人を対象とした制度ですので、企業と個人の取引にしか適用されません。
事業者間の契約(企業と企業の取引)は、クーリングオフできないのです。
しかし事業者間の取引の解釈が難しく、契約・購入の内容によってはクーリングオフが適用されるケースもあります。
契約や購入が仕事のためのものではなく、個人のものだという場合には消費者として判断できるので、クーリングオフが適用されるかもしれません。
事業者間の契約は、クーリングオフできないというのは意外ですよね!
仕事用になると、個人の契約よりも高額な契約が多いと思います。
契約してしまってからクーリングオフできない!という状況にならないように、事業者間の契約には慎重になる必要がありますね。
クーリングオフできない場合に備えよう!

先ほど通販や事業者間の契約はクーリングオフ制度が適用されないとご紹介しました。
実は通販や事業者間の契約以外にも、クーリングオフできないケースはあります。
- 通信販売
- 事業者間の取引(仕事や営業用の購入)
- 店舗や営業所内での契約(特定継続的役務提供を除く)
- 自動車
- 化粧品、健康食品などの消耗品を開封・使用した時の使用分
- 現金取引3,000円未満の契約
これらは基本的にはクーリングオフ制度が適用されませんが、例外もありますので契約書を確認してくださいね。
誰でも後悔のない契約をしたいですよね!
「後悔したからクーリングオフ制度を使いたい」とならないようにするために、事前にチェックしておくべきポイントをご紹介します。
・自分1人で判断せずに、身近な人に相談してから契約・購入をする
・返品や契約解除の方法を事前に確認しておく
こちらの内容を頭に入れておけば、不要な契約をして後悔することがグッと少なくなりますよ。
また、万が一クーリングオフ制度を使い、「クーリングオフできない」と言われてしまっても、すぐに対応することができそうですね!
色々試してみたけれどどうしても自分では対処できない場合や、どれにも当てはまらない場合には、専門家に頼ってみましょう。
- 消費者ホットライン「188」に連絡をして相談する
- 国民生活センター「03-3446-1623」に連絡をして相談する
- 脅されている等、トラブルになりそうな時には警察に連絡をする
消費者ホットライン「188」に連絡をしてみましょう。全国の都道府県・市町村に消費生活センターが約800か所あり、あなたの身近な地域のセンターにつながります。
土日や祝日も対応してもらえるので安心ですよね!
電話が込み合っているなどの理由でつながらない場合は、国民生活センターに連絡をしてみてください。
あなた1人で抱え込まずに、行き詰った時には相談をしてみてくださいね!
まとめ

- クーリングオフできないと言われてもできる可能性がある
- 契約書がある場合にはクーリングオフの規定が書いてある箇所を探す
- 契約書にクーリングオフの規定が書いていない場合、法律違反になりクーリングオフできる可能性がある
- 契約書を受け取っていない場合、クーリングオフの起算日が存在しないため、いつでもクーリングオフができる
- クーリングオフの通知は必ず書面で行い、証拠の残る方法で送付する
- 通販はクーリングオフができない
- 事業者間(企業と企業)の契約はクーリングオフができない
- 自分で対処できない場合は消費者ホットラインに電話をする
既にしてしまった契約や購入を取り消すことができるクーリングオフ制度。
クーリングオフできないと言われても、諦めずに手段を探せばできることも。
諦めずにまずは契約書を確認し、対処法を探してみましょう!
コメントを残す