契約書を見返したら訂正しなくてはいけない箇所が見つかった。署名や捺印まで完了した契約書に間違いがあったので訂正したい。
完成した契約書を先方にもお渡しし、一息ついたのも束の間、このようなことが起こったことはありませんか?
契約書に訂正する箇所が見つかった時、早く訂正しないと先方にも迷惑がかかかってしまうかもしれないと、とても焦ってしまいますよね。
署名や捺印をもらった後で、間違いに気づくと本当にドキドキしてしまいます。
もし、契約書に訂正できない箇所があるとすれば、その箇所は更に入念に作成や確認をしなくては、と気合いも入ります。
契約書で訂正できない箇所はありません!そして訂正をする場合にはどのような方法があるのか、詳しくご説明していきます。
目次
契約書に訂正できない箇所はない!正しい方法を紹介!

結論から述べますと、契約書に訂正できない箇所はありません。署名や捺印が終わっていても、訂正できない箇所はないそうです。
訂正できない箇所がないという事がわかっただけでも、少し安心しますよね。
もちろん作成中や完成した後も確認はしっかり行うべきですが、人の作業ですから間違いはあります。
そういう場合は、契約書を正しく訂正する方法を覚えておけば良いのです。
契約書の訂正の方法には3パターンありますのでご紹介していきます。
訂正をしたい場合
文章に間違いがあり、別の単語に訂正したい場合です。間違っている文字を二重線で消します。
上に正しい文字を書き、近くに訂正印を押します。上に訂正するスペースがない場合は下でも大丈夫です。
そして、削除した文字数と追加した文字数を書きます。例えば5文字訂正した場合なら、「5文字削除 5文字追加」と書きます。
契約書の訂正の訂正も可能で、同じ方法で訂正できますよ。
しかし、とても見づらくなる可能性がありますので、出来れば契約書を作り直した方が良いです。
先方に提出する前に、契約書の訂正するべき箇所があった場合も、パソコンで訂正する箇所を入力し直して、新しい契約書を刷り直すという訂正の仕方をオススメします。
提出する前に気づいて、訂正できれば一番いいですよね。
追加をする場合
文章や単語の記入漏れがある場合です。文字の抜けていたところに「∨」を書いて、その上に追加したい文字を書きます。そしてその隣に訂正印を押します。
隣に書き加えた文字数を書きます。「∨」の上に4文字追記したら「4文字追加」と書きます。「加筆」「加入」という言葉でもかまいません。
削除をする場合
文章の中に余計な文字がある場合です。削除したい文字に二重線を書き、上に訂正印を押します。
上に訂正するスペースがない時は下に訂正しても大丈夫です。
どこを訂正したのか、分かりやすくするための二重線なので、間違っても塗りつぶしは厳禁ですよ!
隣に削除した文字数を書きます。例えば3文字に二重線を引いたなら「3文字削除」と書きます。「削除」「抹消」どちらの言葉でもかまいません。
記号や句読点も1文字としてカウントするので注意してください。
数字の訂正のポイント
数字の訂正は、できれば大字(壱、弐、参等)を使うことが望ましいと言われています。
そして金額を訂正したい時。もともと金額を記入する時には、不正防止のために両端に「¥」と「ー」の記号を書きます。
その金額を訂正した時も、削除した文字数と追加した文字数を記入する訂正方法が丁寧です。
その時に、「¥」や「ー」「,」なども一文字としてカウントするようにして下さいね。
訂正が無効になる場合
契約書を訂正できない事はありませんが、訂正の方法を間違うと、その訂正が無効になってしまう場合があります。
せっかく間違いに気づいても、訂正方法が間違っていては意味がありません。
- 契約書で押印された印鑑と同じ印鑑を使い、訂正する箇所に押印すること。
- 契約書に2人以上の署名押印がある場合は、全員分の訂正印が必要であること
違う印鑑を使ってしまうと、法的な効力が無く無効になってしまいます。
訂正印は誰がどのように訂正したかを証明するものとなります。
契約者本人が訂正を行ったことを証明するためにも契約書に押印した印鑑と同じ印鑑を使いましょう。
この2つはとても重要なポイントです。社内で使用する書類などは、一般的に市販されている訂正印で訂正可能なことも多いです。
しかし、正式な契約書では、実印や代表実印が訂正印として使用されますので、どの印鑑が押印されているのかしっかり確認しましょう。
契約書の訂正には訂正印が必須‼︎捨て印の役割は?
契約書の訂正に必ず必要なものがあります。それは訂正印です。
契約書も含め、書類に携わるなら訂正する機会も少なからずあるでしょう。おそらくあなたも訂正印を持っていると思います。
契約書の訂正に必要不可欠な、訂正印と捨て印について説明します。もう知っているというあなたも、おさらいを兼ねて確認しましょう!
訂正印の基本
文書の部分を訂正するときに押す印のことを訂正印といいます。本人が自ら訂正したことや他人に改ざんされていないことを示すものになります。
訂正印は私も押したことがありますし、案外身近です。
今でこそ、「訂正印は訂正する時に使うのは当たり前だ」と思っていますが、社会人になってすぐの頃に修正テープで修正し、先輩に優しく注意を受けたことを思い出します(笑)
きっと、あなたも心当たりがあるのではないでしょうか。
捨て印の基本
作成した契約書に訂正が生じた場合に、訂正印の捺印の替わりに書類の欄外に押す判子のことを捨て印といいます。
相手方の訂正をあらかじめ認めるといった意思表示になります。
全ページに捨て印を押すというのは、どのページが訂正になっても対応できるようにする為だそうです。
1枚目に押しているからと言って、全ページに効力があるわけではないので注意が必要です。
捨て印のことで思い出したことがあります。契約書の説明を聞いた後に「ここに捨て印を押してください」と言われ、指でさされた箇所に捺印したことです。
すごく自然な流れで捨て印を押していましたが、捨て印の説明は省略されることが多いのかもしれませんね。
だからこそ、きちんと把握しておくことが大事だと思います。
あらかじめ捨て印をすることで、わざわざ訂正印をもらうことなく訂正ができます。
どちらかの契約当事者が契約書を持っている場合、書類に誤字脱字があることがわかった際は訂正できるので手間が少なく済むメリットがあります。
しかし捨て印がある場合は、相手に訂正を任せることになるので、勝手に訂正される危険性があります。
知らぬ間に契約内容が書き換えられていたという可能性もあります。
信頼できる相手との契約書であれば、何も問題はありませんが、訂正を認めてるということをしっかり念頭に置いて押すようにしましょう。
契約書を取り交わした後はコピーを取っておくと、勝手に契約書を訂正された場合も証拠となりますよ。
契約書の訂正では金額も認められるのか!?
契約書は訂正印があれば訂正できることがわかりました。
では契約書に記されている金額についても、全て訂正印での訂正が可能なのでしょうか。
金額の訂正については注意しなければいけない点があります。
契約書の金額であれば訂正は可能です。しかし請求書の場合、訂正印の使用が認められない場合があります。
請求書の金額の訂正は要注意
金額の訂正において大事な注意点があります。それは請求書の合計金額の訂正は認められていないということです。
これは国の法令で定められていることになります。請求書の金額の訂正を認めてしまうと、不正行為が可能になってしまうからです。
合計金額の訂正が必要な場合は、もう一度作り直すことになります。ただし、内訳の金額や数量などは訂正可能なので、あくまで合計金額の訂正の話になります。
ですが、例え内訳の部分でも金額が訂正されていると、改ざんされているのではないかと疑念が生まれてしまいますので、作り直した方がよいでしょう。
訂正が認められない箇所には請求書の合計金額がありますのでご注意下さい。
作成した契約書を十分チェックすることが大切
契約書は訂正できますが、作成した時点で何度も見直し、誤字脱字や内容が適切であるかを十分確認することが大切です。
自分の確認だけでは不安な場合は、同僚などにダブルチェックをお願いすると安心ですね!
また、契約締結の前にも契約当事者の間で契約内容について相違はないかきちんと確認を行います。
初期段階で間違えや訂正箇所が見つかれば、再び契約書を作り直すことができますよ。
まとめ
- 契約書に訂正できない箇所はない
- 契約書の訂正方法は3パターンあり、訂正、追加、削除である
- 数字の訂正は「¥」や「ー」も1文字とカウントして訂正する
- 訂正が無効になる場合があるので、契約書と同じ印鑑を使う
- 契約書の訂正に必要なのは訂正印
- 訂正の許可を示すために使用するのは捨て印
- 複数名の署名捺印があった場合は必ず全員分の訂正印を押す
- 請求書の合計金額に訂正印は認められないので要注意
改めて契約書の訂正について確認しました。契約書に訂正できない箇所はないことや、契約書と同じ印鑑を使わないと無効になってしまうことがわかりました。
この先長い人生において、契約書に触れる機会も多々あると思いますので、しっかり把握しておきたいですね。
契約書にかかわらず、一般的な書類の訂正において、この方法は有効かと思います。
契約書に訂正できない箇所はないこと、ぜひ覚えておきましょう。契約書や書類の訂正で困ってしまった時、あなたのお役に立てたら嬉しいです。