契約書のpdfは効力がない!?有効な場合とそうでない場合をご紹介

デジタル化が進んでいるのに、紙で契約書を保管するのはわずらわしいなと思うことありませんか?

契約書は大切な書類ですが、頻繁に確認するわけでもなく、分厚いものは保管場所もとってしまいます。

紙の契約書をpdfにデータ化して保管してしまおうと思っているあなた、データ化した契約書に効力があるのか気になりますよね。

結論から言いますと、契約締結後にただスキャンでpdf化した契約書データは効力がありません。

pdf化したからといって原本を破棄してしまわないように気をつけてくださいね。

じゃあ紙の契約書をデータ化するのは諦めるしかないの?

法的効力を保ったままpdfで保管するためには、税務署で許可をとればデータ化が可能ですよ。

電子契約システムを利用して契約する方法もあります。契約書をデータ化したいあなた必見です!

 

 

契約書をpdf保管して効力を保つ方法

契約書の効力を保ったままpdfで保管するには、紙の契約書をpdfにして保管する方法と、電子契約システムを導入する方法があります。

紙の契約書をpdfにして保管するためには、所轄の税務署から承認を得る手続きが必要になります。

電子契約システムを導入すれば、最初から最後まで紙媒体を使わずにデータ上で完結することも可能です。

それでは早速それぞれの方法をご紹介していきましょう!

 

紙の契約書をpdfにデータ化する方法

紙の契約書を効力を保ったままスキャンしてpdfにデータ化するには、事前に税務署での承認が必要です。

承認を得ずにpdf化した契約書データは法的効力をもたないので注意してくださいね。

税務署の承認を得るための申請期限は、pdfデータの保存を開始する日の3ヶ月前の日になります。

例えば1月1日から適用を受けるためには、前の年の9月30日までに承認申請書を提出する必要があります。

まず、税務署での事前承認を受けるために以下の書類を準備しましょう。

事前承認の必要書類
  • 承認申請書
  • 添付書類(システム概要、操作説明書等、電子計算機処理に関する事務手続の概要など)

公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認証するソフトウェアを使用する場合は、省略できるものもありますよ。

記載欄を省略した簡単な様式の申請書を使用可能、さらに操作説明書等の添付が不要となります。

承認申請書は、国税庁のホームページで「電子帳簿保存法」と検索すると概要や様式が出てくるので、ダウンロードして使用しましょう。

事前承認を受けるとどんな書類がデータ化できるようになるの?

自身で作成した書類はもちろん、取引相手から受け取った書類をデータ化することもできるようになります。

対象となる書類
  • 取引相手から受け取った書類
  • 自身が作成して取引相手に交付する書類の写し(契約書、見積書、請求書など)

ただし、スキャンしてpdf保管するときは原本と変わらないようにスキャンすることが重要です。

使用するスキャナの設定条件も次のように決まっています。

・200dpi以上の解像度(A4サイズで約387万画素相当)

・赤、青、緑の階調がそれぞれ256階調以上(24ビットカラー)

画像補正機能のあるスキャナの場合は、画像の階調が256以下にならないように注意しましょう。

スキャナは上記の条件を満たしていればスマホやデジカメを使用することも可能ですよ。

スキャナ機能のあるプリンターを持っていなくてもできるのね!

また、タイムスタンプを付与して改ざんや修正がされていないことを証明する必要があります。

さらに検索システムを使って、契約日や契約金額を入力すると検索できるようにすることも大切です。

私の会社でも契約書を探すとき、古いものは倉庫の奥深くにしまってあるので取り出すだけで一苦労でした。

電子データとして保管することで、簡単に検索できるようになり保管スペースも必要なくなりますよ。

 

電子契約システムを使って電子契約書として保管する方法

電子契約システムを導入することで、作成から締約締結、そして保管までデータ上で完結させることができます。

紙の契約書は作成した原本を取引先に手渡しまたは郵送する必要があり、さらに押印後の契約書を受け取るという流れで、どうしても時間や手間がかかっていました。

電子契約書は、以下の3つを組み合わせることで高い法的効力をもちます。

  • 電子署名
  • 電子証明書
  • タイムスタンプ

これらをあわせて使用することで「誰が」「いつ」「何を」契約したかが明確になります。

pdfデータへの押印については、後ほど詳しく説明しますが、電子署名がハンコの代わりの役割をしてくれています。

契約締結後のデータも、検索システムを使ってすぐに見つけることができて管理が簡単なこともメリットですね。

電子契約を結ぶ場合は取引先も電子契約システムに対応しているか確認する必要がありますが、今後は導入される企業もどんどん増えていき普及していくことでしょう♪

電子契約システムはさまざまなサービスが出しており、使える機能や導入費用が異なります。

機能や多ければよいというものでもありませんので、あなたの使用目的にあった電子契約サービスを選んでみましょう。

 

紙の契約書と電子契約書の違い

そもそも紙の契約書と電子契約書の違いはなに?電子契約書も効力はあるの?

まだまだ紙の契約書を使用している企業が多いのが現状ですが、電子契約書もちゃんと効力はあります。

それでは、紙の契約書と電子契約書の違いを見てみてみましょう。

  紙の契約書 電子契約書
形式 紙の書類 電子データ(pdf)
押印 印鑑と印影 電子署名
本人性の担保 印鑑証明書 電子証明書
改ざんの防止 契印・割印 タイムスタンプ
送付 郵送または持参 インターネット
保管方法 倉庫や棚 サーバーなど
印紙 必要 不要

電子契約書の場合、印鑑証明書の代わりとなる電子証明書というものがあります。

一般的には、電子証明書を取得するには申請に必要なファイルを作成するための専用ソフトウェアを使います。

この専用ソフトウェアは法務省のホームページから無償でダウンロードが可能です。

申請に必要なファイルを作成して、管轄している登記所に電子証明書の発行申請を行ってください。

なお、電子証明書の取得は自身で行わずに、認証局を通じた電子契約システムを使って対応する企業も多いようです。

 

 

契約書をpdfで管理すれば印紙は不要になる!

紙の契約書では契約金額に応じて印紙税がかかりますが、電子契約書でpdfを使い契約を締結すれば課税対象とならないため印紙は必要ありません。

建物や車など金額が高い取引になれば、印紙代だけでも数万円かかってしまいます。

私は建設業界で働いていますが、最初はこの切手みたいな紙を買うだけで数万円!?と驚いたことを覚えています。

契約書作成が多い会社であれば、電子契約書として作成することで大幅なコスト削減が可能なことは間違いありませんね。

ただし、コンピューター上で作成しpdf化した契約書は、プリントアウトして署名や押印をすると課税文書となり印紙が必要になります。

この原本をコピーしたものは、非課税文書になるので印紙は不要ですが「原本と相違ない」などの但し書きがあれば、原本と同じ扱いとなり印紙が必要です。

どうして電子契約書は非課税文書になるの?

印紙税が課税されるのは、印紙税法で定められた課税文書に限られています。この課税文書とは、次の3つのすべてに当てはまる文書をいいます。

(1) 印紙税法別表第1(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により証されるべき事項(課税事項)が記載されていること。
(2) 当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること。
(3) 印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと。

引用 国税庁ホームページ

このように、電子契約書はpdf等の電子データで契約を行うので(2)に該当する「文書を作成したこと」にはならないため印紙税が非課税になります。

国会での質疑応答に対する答弁でもこのように言われているため、安心してくださいね。

少し複雑な内容になりますが、印紙が必要なのか不要なのか、しっかりと把握しておきましょう。

 

 

契約書pdfデータへの押印は電子署名が必要

契約書をpdfデータでやりとりする場合、紙の契約書でいう押印作業の代わりとなるのが電子署名です。

電子署名をすることにより、本人のものであるということを証明して文書が正当性のあるものになります。

どうやって電子署名を使うことができるの?

電子署名を実際に利用する方法は以下の2つです。

  • pdfの電子署名ツールを使用する
  • 各社が提供している電子署名サービスを導入する

さらに電子署名は電子証明書とセットで使用することで、高度な信頼性が担保されます。

初めて聞くんだけど、電子証明書って一体なに?

紙の契約書で例えると実印が電子署名、印鑑証明書が電子証明書というイメージです。

電子認証局という公に認められた第三者機関が電子証明書の発行を行っています。

電子証明書の発行は、自身で法務省からダウンロードできる専用ソフトウェアを使って申請する方法と、認証局を通じた電子契約システムを使う方法があります。

 

電子署名と電子サインの違い

電子サインはメールやシステムログを使用して本人性の確認を行います。

一方、電子署名は第三者機関である電子認証局が本人確認した電子証明書を使用するため、より法的効力が強いのが特徴です。

ただし、電子サインは広い意味で使われており、電子サインと電子署名が同じ意味として使われることもあります。

電子サインの信頼性を証明するために電子署名という手段があるというイメージです。

例えば、最近では電子サイン(+タイムスタンプ)を使用した電子契約も普及してきています。

電子契約サービスへの登録やメールアドレスを使用する仕組みで、低コストで始めることができます。

じゃあ電子署名じゃなくて電子サインの方がいいよね!

たしかに電子サインは電子証明書の発行をする費用もかからないため、電子署名に比べると導入するハードルは低いです。

ただし電子サインは電子署名に比べると、本人性や非改ざん性の証明が難しいという点があります。

電子証明書のない電子サインは、民事訴訟などトラブルが発生した時に法的な有効性がどの程度保証されるかが不確かです。

 

電子印影は契約書に使用するのは不向き

pdfに押印する方法として、電子印影を貼り付けるというものもあります。

ただし契約書などの社外取引には電子印影の押印ではなく、電子証明書などで誰がいつ押印したかの信頼性を担保しなければなりません。

なぜなら電子印影は比較的簡単に作成することができ、不正利用されてしまうリスクがあるからです。

リスクがあるなら電子印影の使い道ってないんじゃない?

例えば、リモートワークをしていてもハンコを押すために出社しないといけない…。こういう場合は電子印影が活躍しますよ。

社内で使用する回覧書類や決済などに使えるので、わざわざハンコのために出社する手間がはぶけるメリットがあります♪

 

 

まとめ

  • 契約締結後にスキャンしてpdf化した契約書に法的効力はない
  • 税務署で承認を得れば契約書をpdf化したものでも法的効力をもつ
  • 電子契約で契約締結したものはpdfデータでも法的効力がある
  • 電子契約書は電子署名、電子証明書、タイムスタンプを組み合わせると高い法的効力をもつ
  • 電子契約したものは非課税文書となるため印紙代が不要になる
  • 電子契約で契約書に押印する場合は電子署名が実印の代わりとなる
  • 電子署名は第三者機関が発行する電子証明書とセットで使用することで高い法的効力をもつ
  • 電子印影は契約書などの社外取引には不向きだが社内使用には便利

契約書は古いものでもむやみに破棄できず、気づけばどんどん溜まっていき倉庫を圧迫していきますよね。

すでに契約後の紙の契約書をpdf化するには税務署で承認を得る必要がありますが、電子契約サービスを導入して最初から電子契約をすれば保管スペースもいりません。

契約書などの保管にお困りのあなた、この機会に電子契約サービスの導入を考えてみてはいかがでしょうか♪

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