契約を結ぼうとしているあなたは、今このように悩まれているかもしれませんね。

私も以前、仕事で契約書の担当をしていたことがあり、手書きでも良いのかわからず調べたことがあります。
契約書の日付は手書きでも問題ありません。それよりも日付をいつにするかが重要です。
そして契約締結後も日付が空欄の場合、契約書自体は有効ですが、トラブルがあった時あなたの不利益になる可能性があります。
契約書の日付の種類と決め方についても解説しています。
この記事を読むと、あなたの悩んでいた契約書の日付について、きっと解決されますよ。
目次
契約書の日付は手書きでも印字でもどちらも有効!

契約書に署名捺印をするとき、日付の欄が「〇年〇月〇日」と空欄になっていることがたまにありますよね。
その場合は手書きで日付を記入しても、契約書の効力はあります。
契約書の日付を手書き、もしくは印字することを義務付けた法令はないため、どちらも有効です。
そして、日付は契約者であればどちらが記載しても問題ありません。

日付の決め方については後ほど詳しく解説します。
日付を手書きするときは、契約書の部数全て同じ日付にしなければいけません。また、日付の書き忘れがないように十分気を付けましょう。
契約書の日付はいつが正しい?決め方は5つある!

契約書の日付とは契約締結日、契約書の作成日、契約書の署名日、契約の効力発生日があります。
ここでは、契約締結日をいつにするのか、その決め方について解説します。
契約締結日とは、実際に契約を締結した日付です。両者の署名捺印が揃った日を指します。
しかし、契約締結日の決め方は、法令で定められているわけではないので、色々な解釈があります。
いつにするか、決め方として多いのは以下の5つです。
- 契約開始日
- どちらか一方の契約者が先に署名捺印した日
- どちらか一方の契約者が後から署名捺印した日
- 基本的な契約条件に合意した日
- 双方の社内承認が完了した日
契約書実務書では3番の後から署名捺印した日が一般的とされています。
しかし、契約相手が企業であれば、契約書の日付に関して社内規定があるかもしれません。
日付をいつにするか事前に確認して、合意を得ておくのが一番良い方法です。
契約開始日を契約締結日にする場合
契約書に書いてある、契約開始日を契約締結日に合わせる場合は基本的には問題はありません。
しかし、以下のような場合は注意が必要です。
この場合、9月15日から9月30日までに契約違反があったとしても契約書の効力は認められません。
トラブルがあった場合、9月15日から9月30日は契約書の効力が発生するのかというところから、争わなければいけません。
そうならないために、「契約の締結日」と「効力発生日」をそれぞれ記載することで、トラブルを回避できます。
どちらか一方の契約者が先に署名捺印した日
両者揃って同じに日に署名捺印できれば、その日が締結日とできますが、郵送で署名捺印をもらう場合は後先ができてしまいます。
先に日付を記載しておく場合、実際の署名日と記載している日付が多少前後しても、契約内容に影響がなければ、法的に問題ではありません。
それに契約書の作成者が事前に日付を印字しておくことで、記入忘れを防ぐことができます。
しかし事前に印字した場合、記載されている日付と署名する実際の日に違いがあり、相手は抵抗を感じる可能性もあります。
契約書作成者の都合で締結日を決められてしまうことに、違和感をもつ人もいるかもしれません。
郵送前に「締結日は〇年〇月〇日とこちらで記載し、郵送させて頂いてもよろしいでしょうか?」と一報いれておくと良いでしょう。
どちらか一方の契約者が後から署名捺印した日
先ほども書きましたが、契約の締結日は後から署名捺印した日が一般的です。
日付部分は空欄にし、後から署名捺印する人が記入します。
但し、この場合は記入漏れに注意する必要があります。

あなたが後から署名捺印するときも、あなたが先に署名捺印し、返送を受け取ったときも、日付が空欄になっていないかきちんと確認してください。
基本的な契約条件に合意した日にする場合
契約内容を詰めていくときに、会議やメールなどで交渉をしますよね。
その時に「ではこの条件で進めましょう。」と口頭もしくはメールで合意を得た日を締結日に決定します。
そして、その日付を契約書に印字しお互い署名捺印するという方法です。
双方にとって一番納得のできる日付ではないでしょうか。
双方の社内承認が完了した日にする場合
会社の規模が大きくなれば、会議出席者だけで決裁権は持たず、社内稟議(りんぎ)で承認を得てから契約の締結となることもあります。
また、年度跨ぎなど予算の関係上、署名捺印日を締結日にしてしまうと税務監査など会計上の問題が指摘される場合も考えられます。
企業同士であれば、双方の稟議承認後、その日を締結日とすると良いでしょう。
バックデートは絶対にやってはいけない!
バックデート(Back date)とは、実際の契約締結日より過去の日付を記載することです。
バックデートすると、契約書に記載されていることが虚偽の内容とも捉えられ、企業のコンプライアンスに関わる大きな問題です。
このようなケースが起きやすい例として、以下の状況が考えられます。
- 2021年7月1日に秘密保持契約していないのに、秘密情報を開示してしまった
- 2021年7月15日に秘密保持契約の合意をもらう
- 2021年7月20日に秘密保持契約書に両者署名捺印
この時に、2021年7月1日に秘密情報を開示してしまったので、締結日を2021年7月1日にしたい気持ちはわかりますが、グッとこらえましょう。
締結日は2021年7月20日のままにして、契約書内に「有効期間は2021年7月1日から」と記載するのが正しい書き方です。
契約締結前に秘密情報を開示してしまった時点で、あなたはとても焦っていると思いますが、大丈夫です。
虚偽の内容を書くのではなく、正しい書き方で作成すれば問題ありません。
契約書の日付が空欄でも無効にならないが不利益になる

契約書の日付をあとから手書きしようと、空欄にしている場合がありますよね。
記入を忘れて、日付が空欄のままでも契約書自体が無効になるわけではありません。
契約書は双方が記載内容に合意し、署名捺印をしているので契約書は有効のままです。
但し、なんらかのトラブルがあった場合、日付の記載がないとあなたの不利益になる可能性があるのです。
契約締結日が空欄だと、契約書が示す目的物や場所、適用されるべき法令が明確に特定できません。
契約書の内容には、契約締結日時点で施行されている各法律が適用されています。
また、契約の有効期間が問題となった場合、効力発生日の記載もなく、契約締結日が空欄だと、有効期間がいつから適用されたものなのか不明です。

あなたが契約書を作成する時は、日付の記入漏れがないかしっかりと確認しましょう。
そして、相手方に日付を記入してもらう時は、返送後に空欄がないか確認しましょう。
万が一空欄の場合は、勝手に書き足さず、メールで相手の同意を得てから書き足しましょう。
「日付欄が空欄でしたので、郵送頂いた消印と同じ〇年〇月〇日と、こちらで記載してもよろしいでしょうか?」
このように、電話ではなくメールなど文字に残る形で連絡することがポイントです。
相手が保管している控えにも同じ日付を記載してもらうよう伝えましょう。
まとめ

- 契約書の日付は手書きでも有効
- 契約書の日付を手書きにする場合、契約者どちらが記入してもよい
- 誰が手書きするかより、日付をいつにするかが重要
- 日付には、契約締結日、契約書の作成日、契約書の署名日、契約の効力発生日がある
- 契約締結日は後から署名捺印した日にするのが一般的
- 契約締結日を過去の日付にするバックデートは絶対にやってはいけない
- 契約書の日付を空欄にしていても、無効にはならないがトラブルがあった時不利益になり得る
契約書は会社にとっても、あなたにとっても大切なものです。
特にトラブルになった時、契約書の内容があいまいだとあなたにとって不利益になる可能性があります。
そうならないために、契約締結の時からしっかりと確認して、署名捺印をするようにしましょう。
この記事があなたの役に立つことを願っています。