著名日、記入日に契約締結日など契約書にはいろいろな日付が存在します。
いろんな日付がある中で皆さんが契約書の中の日付を決めるのには、いつがいいか一番悩むのが契約締結日ではないでしょうか。
契約期間の最初の日や契約者が最初に押印した日、最後に押印した日、互いに合意した日を契約締結日にするのがよいでしょう。
契約書の契約締結日をいつにするか、決め方次第では相手方に不快感を与えてしまうこともあります。
しかし日付をいつにするかの知識があれば、契約書の日付で相手を不快にさせてしまうようなミスも防ぐことができます。
色んな決め方を覚えておくことで、相手を気遣いながら日付を決めることも可能です。
色々ある契約書の契約締結日の決め方を覚えていきましょう!
目次
契約書の日付をいつにするかは複数選択肢がある

私は契約書を書くときはいつの日付を書けばいいんだろうと悩んだことがあります。契約書の日付はいつにしたらよいのだろうと悩むことありますよね。
この記事を読んでくださっている皆さんは、契約締結日をいつにするのかよいか悩まれていると思います。
契約締結日とは、契約者同士が実際に契約を結んだ日です。押印や著名がされた日でもあります。
契約書の内容の効力が発生する日(契約開始日)が契約書にがない場合は、この契約締結日が契約開始日になる重要な日です。
契約締結日をいつにしたらよいのかを決める際には、以下の日を目安に決めることになります。
- 契約期間の最初の日
- 契約者が最初に押印した日
- 契約者が最後に押印した日
- 契約者がお互いに合意した日
いずれの方法でも、あらかじめ契約者どうしの間でいつの日にするか決めておきましょう。
契約書の内容だけでなく日付も共通の理解をしておくと、トラブルの種が1つ減るのでとってもいいですよね。
契約期間の最初の日
契約期間の最初の日に契約締結日を合わせるという方法です。
実際、問題になることがあまりない決め方かと思いますが、問題となる可能性も秘めています。
6月1日に6月10日からの未来の日付での契約を締結したとします。1日から10日の間に何らかの契約違反がありました。
契約は10日からとなっているので、1日から10日の間に契約書の効力は発生していたのかというトラブルとなってしまいます。
契約者が最初に押印した日
契約書を作り、最初に押印をした日に合わせて、契約締結日を決めるという方法です。
メリットは、先に日付を記入するため日付の記入漏れを防ぐことができます。
日付を空欄にして相手に郵送します。もし相手が日付の記入を忘れていたら日付欄が空欄のまま契約の手続きが進んでしまいます。
そういったケースを考えると最初に日付を書いてしまうのは良いことだといえるでしょう。
デメリットは、契約交渉中の段階で日付をあらかじめ決めていなかった場合、相手に違和感を感じさせてしまうことです。郵送の場合で考えてみましょう。
郵送の場合だとどうしても日付が多少前後してしまいます。例えば自社が日付を6月10日と記入し相手方に郵送したとします。
相手に契約書が届いた日が6月12日だった場合、相手から見たら過去の日付が記入されていることになります。
少し前の日付けに押印をするのに相手方が抵抗を感じることがあるかもしれません。
他にも、契約内容を確認していないにもかかわらず、勝手な都合で締結日を決められていることにも違和感を感じると思います。
そのような状況を回避するには、自社が最初に著名した日を書くのはやめたほうがいいかもしれません。
契約者が最後に押印した日
先に押印する契約者は日付を記入せず、後に押印する契約者が日付を記入する方法です。
この方法であれば、後に押印する側が先ほどの「契約者が最初に押印した日」にあったデメリットを感じることがなくなります。
その代わり、日付の記入漏れというデメリットが生まれてしまいます。
ほかにも最初に押印した契約者側にデメリットが生じてしまいます。後に押印している契約者が日付を好きに記入できてしまうところです。
すでに押印しているので、押印を先にした側はリスクを感じるでしょう。
契約者がお互いに合意した日
契約書を作る以上、会議の場やメール上で実質的に合意した日が必ずあります。その日を契約締結日とします。
交渉段階で合意した日なので、お互いに共通の認識が持てていることがメリットといえます。
しかし、デメリットもあります。会議やメールでの交渉の場面では細かい条件までは詰めていません。
細かな部分まで決まってから初めて合意したこととなる、と考えるとこの日は受け入れがたいでしょう。
契約書の日付の訂正はできる!2パターンをご紹介

気を付けて確認していたつもりでも、人間だれしも間違えてしまうことはあります。
契約書の日付を間違えて記入してしまった!なんてときは訂正をしましょう。
訂正方法を知っていると万が一間違えてしまっても対処できるので安心ですよね。
私は初めて契約書に書き間違えをしたときに「どうやって直したらいいの?というか、そもそも直していいのかしら?」と不安になった記憶があります。
日付の訂正方法は、訂正箇所に線を引いて新しい日付と必要事項を記入して印を押すだけで訂正は完了です。複数のやり方があるので、2パターンご紹介します。
案外簡単に日付の訂正は行えるので安心ですね。でも、いくら訂正できるからと言って何度も訂正を繰り返すのは良くありません。
もし訂正した内容が間違っており、訂正の訂正をしないといけないとなったときは訂正箇所が見づらくなってしまいます。
その際は新しく契約書を作り直すほうがいいかもしれませんね。
契約書の日付の訂正方法1
日付の訂正は訂正したい日付に線を引きます。そして、新たな日付を書きます。訂正した日付の右側のスペースに「日付訂正」と書き込み、職印を押します。

代理人が複数いる場合でも一名の代理人の印鑑の押印があれば大丈夫です。文字を消す線は1本でも2本でも構いません。
契約書の日付の訂正方法2
訂正したい日付に重ねるように二重線を引きます。横書きであれば上、縦書きなら右側に正しい日付を書きます。
訂正した箇所の近くに何行目の何字を消して何字を追加したかを分かるように「〇行〇字削除〇字追加」と記入しましょう。
訂正した近くに押印を忘れないように気を付けましょう。

契約書の日付の書き方は?空欄やバックデートはダメ

相手との契約をした証拠となる契約書。重要な書類なので日付の書き方で悩むこともありますよね。


そして日付をそのまま記入し忘れてしまう。このような場面があるかもしれません。
しかし、これらはトラブルの原因となる行為なのでやめましょう。
日付は必ず記入する、バックデートの代わりに遡及契約を活用する、これらを守るようにしましょう。
契約書の日付の欄を空白にするのは良くない
契約書はその契約が成立したことを裏付ける大切な証拠です。
契約書の日付欄が空白になっていると、契約の有効期間に関わる部分に影響を与えます。
例えば、契約の有効期間は1年間だったとします。
その際に契約締結日から契約が有効となれば、日付の記入がないといつから契約の有効期間が開始されたのか分からなくなってしまいます。
他にも、日付が空白のせいで契約書に示されている場所や目的物、適用されるべき法令が明確に特定できなくなってしまいます。
この様な問題を起こさないためにも、必ず日付の欄は空白のままにしないでおきましょう。
バックデートは避けましょう
バックデートとは、契約書に記載する契約締結日を実際に契約した日付より早めることを言います。
例えば、6月10日が実際に契約を締結した日だけど何かしらの理由で契約書の契約締結日を6月1日として記載することです。
バックデートは「〇月〇日にさかのぼって適用」という記載がないので実際と違う記載をしたと思われてしまう恐れがあります。
トラブルの原因となりかねないので、バックデートは避けましょう。
契約締結日を実際に契約した日付より過去の日付にしたい場合はバックデートではなく「遡及契約(そきゅうけいやく)」を活用しましょう。
遡及契約は契約締結日より前の日付から契約の効力を発生させます。「本契約は〇月〇日に遡って適用」と記載します。
遡及契約を覚えておけばバックデートとは違い、トラブルになる恐れもなく契約締結日より過去から効力を発生させられるので、便利ですね。
まとめ

- 契約書の日付をいつにするかは4つの決め方がある
- 契約書の日付をいつにするかはそれぞれの決め方にメリット、デメリットがある
- 契約書の訂正はしてもよい
- 訂正の訂正はせず、作り直すほうが良い
- 日付の欄は必ず記入すること
- バックデートはしてはいけない。遡及契約を活用すること
契約書の日付をいつにするか困っていた方もご紹介した方法で解決できるかと思います!
訂正の仕方や、遡及契約を活用することも覚えておいて損はない内容です。
是非紹介した日付の決め方を参考にして頂けたら嬉しいです♪