赤いクワガタムシと呼ばれているヒラズゲンセイ。
鮮やかな赤色で見た目もクワガタムシにそっくりということもあり、昆虫コレクターの間で大人気の昆虫です。
人気の昆虫なので、昆虫コレクターの間では高い値段で取引されています。どれくらいの値段で取引されているのでしょうか。
また、いざヒラズゲンセイが欲しいと思っても昆虫コレクターでなければ中々手に入れられる機会はありません。
素人でも、手軽かつ安い値段でヒラズゲンセイを手に入れることができたら嬉しいですよね。
そこで今回の記事では、ヒラズゲンセイの値段や手に入れる方法などを徹底調査しました。
おまけに、ヒラズゲンセイの生態や分布情報などもご紹介しています。ヒラズゲンセイが欲しいと思っているあなたに役立てば幸いです♪
目次
ヒラズゲンセイの値段は高額!!手に入れるには?

ヒラズゲンセイは、クワガタムシの仲間ではなくツチハンミョウ科に分類される昆虫です。


高値で取引されているオオクワガタの値段と比べてみましょう。オオクワガタのオスは体長70mm以下だと3000円程度で取引されています。
ヒラズゲンセイの体長は18〜30mm程。そして値段は1万円前後です。

ヒラズゲンセイは、ツチハンミョウ科の仲間たちに比べて約8〜10倍で取引されています。
ツチハンミョウ科の昆虫が高い値段で取引されるのではなく、ヒラズゲンセイのみが高い値段で取引されているようです。
しかし、ツチハンミョウ科の昆虫も様々なカラーバリエーションがあり昆虫コレクターの中では、人気の昆虫となっています。


ヒラズゲンセイは、脚や体の関節から黄色い体液を出すのですが、これが皮膚のやわらかいところについてしまうとかぶれや水ぶくれを引き起こしてしまいます。
詳しくは後ほどご紹介しますが、危険なので私たち素人はヒラズゲンセイを触らないようにしましょう。
そういったこともありヒラズゲンセイは標本として取引されていることがほとんどです。
また、ヒラズゲンセイの綺麗な赤色は標本が一番映えるということもあり標本で取引されています。
昆虫について、ある程度の知識があり、標本作りも簡単にできるというのであれば値段をつけて売ることも可能かもしれません。
しかし、基本的には危ないですのでやめておきましょうね。
危険もなく、手軽にヒラズゲンセイを手に入れられる方法はないかとネットオークションサイトを調べてみました。
ヒラズゲンセイはネットオークションでは500円!!
ネットオークションの最大手ヤフーオークションでは、ヒラズゲンセイは「平均値段500円」と表示されます。
さらに、楽天市場の値段は340円となっていました。
ヤフーオークションや楽天市場で出品されている商品をよく見てみると、すべてに「カプセルQミュージアム日本の動物コレクション4」と書いてあります。
そうです。ガチャガチャのフィギュアでした。騙された!!と思っていませんか?
ここで、ヒラズゲンセイが欲しいと思っているあなたに朗報です♪
ヒラズゲンセイを手に入れるには毒におびえながら捕獲するか、1万円払って標本を購入するかの2択になります。
しかし、フィギュアなら340円または500円で手に入れることが出来ます!!
この「カプセルQミュージアム日本の動物コレクション4」は、海洋堂という会社が制作をしています。
海洋堂はフィギュアの造形・企画・制作をしており、他にはガンダムやエヴァンゲリオンなど細かいパーツで作られているようなものも制作しているようです。
ヒラズゲンセイのフィギュアも見てみましたが、本物と見分けがつかないほど巧妙に作られています。
本物のヒラズゲンセイよりも鮮やかで美しいかもしれません。
ヒラズゲンセイを、お家に飾るなら「カプセルQミュージアム日本の動物コレクション4」のフィギュアを買うのがおすすめです♪

海洋堂が制作しているフィギュアの良さをお伝えしましたが、本物のヒラズゲンセイも気になりますよね。
先程ご紹介したように、ヒラズゲンセイの体液には毒があります。
その他にはどのような性質があるのでしょうか。また、どれくらい危険な昆虫なのかをご紹介いたします!!
ヒラズゲンセイの値段が高い理由は危険な生態にあり!!

ヒラズゲンセイの生態はまだ解明されていないこともあります。
さらには毒があり扱いにくいため、高い値段で取引されているのではないかと思います。
ヒラズゲンセイには、クワガタムシと同じようにオスのみ大顎があります。
オス同士がこの大顎で戦い、メスを勝ち取るそうです。これもクワガタムシと同じですね。
ヒラズゲンセイとクワガタムシで生態が大きく異なるのは産卵方法や成長過程です。
ヒラズゲンセイの成長過程
クワガタムシは木に産卵をしますが、ヒラズゲンセイはキムネクマバチの巣内に潜り込み産卵をします。
そして孵化したヒラズゲンセイの幼虫は、キムネクマバチが集めてきた花粉やキムネクマバチの幼虫などを餌にして成長します。
ちなみにヒラズゲンセイは短命で1ヶ月程度しか生きられないのですが、幼虫の頃に摂った栄養だけで成虫の期間も生きていくそうです。
成虫の期間、食べることをしないから短命なのでは?と思ってしまいました(笑)
本当に、キムネクマバチがいなければ生きていけない昆虫ですね…。
ヒラズゲンセイとキムネクマバチ
キムネクマバチは高確率でフジの花付近にいます。キムネクマバチの近くにヒラズゲンセイもいる可能性が高いです。
また、キムネクマバチが巣を作りやすい古い家の軒先や枯れ木付近などでも発見されることがあります。
極めて特殊な生態のため、専門家より私たちのような素人が見つけることも多いようです。
余談ですが、キムネクマバチは構造上では飛べないはずなのに「自分が飛べないと知らないから頑張って飛べている」という話を思い出しました。
知らないうちにヒラズゲンセイにも寄生されて、さらには自分が本当は飛べないことを知らないとはマヌケなハチだなと思ってしまいました。
ヒラズゲンセイは、レア度が高い昆虫なので見つけたらきっとテンションが上がるはず。
おもわず手のひらに乗せて写真を撮ってしまいそうですが、危険なので触るのはやめておきましょう。
ヒラズゲンセイの毒は、私たちにどれくらい有害なものなのでしょうか。
ヒラズゲンセイの毒
ヒラズゲンセイは全身がやわらかく、防御性のない作りになっています。そのため自分を守るように毒を出すそうです。
この毒は「カンタリジン」という成分で出来ています。
人間のカンタリジンでの致死量は、なんとたったの30mg。実は時代劇でよく登場する毒薬は、このカンタリジンです。
致死量の30mgを集めるには、ヒラズゲンセイが何匹も必要なため1匹のカンタリジンで死ぬことはまずありません。少し安心しました。
またツチハンミョウ科の昆虫はカンタリジンを含有していることが多いようです。
ヒラズゲンセイのカンタリジンが、万が一手についてしまった場合はすぐに水で洗い流してください。
かぶれてしまっても、ウルシにかぶれる程度なので猛毒ということではなさそうです。
しつこいようですが、猛毒ではないからといってむやみやたらにヒラズゲンセイを触るのはやめておきましょう。
ヒラズゲンセイは一部の地域にしかいない!!分布は?

ヒラズゲンセイは、1976年に和歌山県湯浅町で初めて発見されました。
翌年の1977年には兵庫県の淡路島、1985年に兵庫県神戸市北区、そして1999年には大阪府貝塚市と近畿で分布を広げていましたが現在は、だんだんと分布を北に広げています。
北に拡大しているのは、地球温暖化が原因のようです。
ヒラズゲンセイ(成虫)の発生期間は、5月上旬から7月中旬までとなっています。短いですね!!
主に、どこで発見されているのでしょうか。2016年から2019年までの4年間で発見された地域をまとめてみました。
あなたの住んでいる地域では発見されているのか、是非チェックしてみてください!!
- 京都府京都市右京区
- 京都府船井郡京丹波町
- 京都府綴喜郡宇治田原町
- 三重県鈴鹿市
- 滋賀県蒲生郡日野町
- 滋賀県甲賀市
- 滋賀県東近江市
- 大阪府交野市
- 大阪府高槻市
- 大阪府守口市
- 大阪府大阪市都島区
- 大阪府箕面市
- 奈良県磯城郡川西町
- 奈良県桜井市
- 奈良県大和高田市
- 兵庫県伊丹市
- 兵庫県高砂市
- 兵庫県神戸市灘区
- 鳥取県鳥取市
- 島根県安来市
まだ主な分布は近畿のようですが、これから数が増えていき分布もさらに広がっていきそうですね。
また上記の地域以外で発見した場合は、大阪市立自然博物館が情報を集めているので直接連絡をするか、ツイッターに写真を添付し#ヒラズゲンセイとツイートしてください。
大阪市立自然博物館に直接連絡する場合は、大阪市立自然博物館のHPをご確認ください。
まとめ

- ヒラズゲンセイは赤いクワガタムシと呼ばれている
- ヒラズゲンセイはクワガタムシの仲間ではなく、ツチハンミョウ科の一種である
- オオクワガタの値段は約3000円だが、ヒラズゲンセイの値段は約1万円前後である
- ヒラズゲンセイを手軽かつ安価で手に入れるならフィギュアがおすすめ
- ヒラズゲンセイには毒があるため、触るとウルシ程度のかぶれや水ぶくれを引き起こす
- ヒラズゲンセイはキムネクマバチに寄生している
- ヒラズゲンセイの毒はカンタリジンという成分で、致死量は30mg
- 万が一、カンタリジンを触ってしまったらすぐに水で洗い流す
- ヒラズゲンセイは近畿を中心に発見されているが、近年では近畿以外でも発見され徐々に北上している
いかがだったでしょうか。ヒラズゲンセイ、知れば知るほど興味深い昆虫ですよね。値段もかなり高額で驚きました。
ヒラズゲンセイは毒がある昆虫なので、あまり本物にこだわらずフィギュアを購入するのも一つの手だと思います♪
ヒラズゲンセイは研究者もまだ知らないことが多い昆虫なので、小さいお子様がいる方はお気を付けください。
むやみに触らずに、写真を撮ってみんなに自慢しましょう!!