誰もがきっと、一度は耳にしたことがあるであろう「軍艦島」。
九州は長崎県の半島沖に位置する、言わずと知れた観光名所の中のひとつですよね。
また世界遺産として、日本人のみならず、海外からの旅行客の方からも人気を博しているスポットなんです。
旅行好きなら一度は足を運んでみたい場所だと思いますが、軍艦島の観光が十分に楽しめない状況があったことはご存じでしょうか?
旅行のスケジュールの中で、観光名所めぐりはメインイベントと言ってもいいほど重要な要素ですよね。
近々軍艦島を訪れようとしている方やいつか軍艦島に行きたいと思っているあなたはこの件について、知っておいて損はしないです!
目次
軍艦島ツアーは今も中止になっている?

結論からお伝えすると、今現在はツアーが再開されています。
ですので、近々軍艦島への観光を考えている方はひとまずご安心くださいね。
ツアーが中止になっていたことや、その原因についてはぜひ知っておいて頂きたいのです。
なぜかと言うと、また同じような理由でツアー中止になることは、今後も考えられるからです。
軍艦島の台風25号の影響
2019年10月に上陸した台風25号の被害により、その復旧作業が終わり安全が確保できるまで、一般客の上陸は禁止となりました。
この軍艦島は、岩礁が基盤となっており、周囲はコンクリートで固められています。
その性質上、高潮などの影響は非常に受けやすくなっているようです。
柵などの数多くの施設に破損が見られ、安全な見学が困難な状況となってしまったので立ち入りが禁じられることとなりました。
年間30万人以上が訪れると言われる土地で、この状況は地元長崎市にとっても相当な痛手であったことが想像に難くありません。
完全に誰がどう見ても田舎と呼ぶであろう場所で私は生まれ育ちました。
だからこそ、私はこの身をもって知っているんですよね。
そういう土地が、観光やイベントといった部分にどれだけ経済を、そして土地全体の雰囲気や活気などのエッセンスまでも支えられているのか。
地元の人々の、一刻も早く復旧をという思いが、実際にその時を共に過ごしていたわけではないのですが痛いほどわかります。
こちらの復旧には、2020年2月21日よりツアー再開となるまで約4か月という月日を費やしました。
2009年4月に上陸を開始してから、最長の期間だったそうです。
軍艦島ツアーが中止になる理由は天候以外にも!?

実は、台風で上陸が禁止となるちょっと前にも、軍艦島のツアーは中止となっていたことがあるんです。
2019年8月にアスベスト検出!?
それは2019年8月のことで、この時の原因は、アスベストのような物質が島内から検出されたことでした。

この時は誰もがアスベストが検出されたと思っていたでしょう。
アスベストは別名を石綿と言う鉱物なのですが、これは世代によって認知度に幅が出る内容だと思われますので、簡単にご説明いたします。
安価で、耐火性、断熱性、防音性、電気絶縁性などに優れているという性質から、多くの建材製品に使用されていました。
特に1960年代以降の高度経済成長期には生活のあらゆる場面で重宝すると、様々な形態で使われていたようです。
しかしのちに、アスベストが塵肺、肺がんや悪性中皮腫などのリスクを高めるということがわかり始めます。
つまり健康被害を及ぼす有害物質であるとのことで、2006年には完全に使用が禁止されることとなりました。
軍艦島に残されている建造物の中にはこちらが含まれていた可能性があり、定期的にその大気調査を行っていました。
ちなみに、長崎市で軍艦島への上陸が解禁されたのは2009年ですが、調査はおおよそ年に一度のペースで行われているそうです。
これは、観光に行かせてもらおうとしている側にとってはとても安心できるポイントですね!
もちろん、有害物質の成分が検出されたことは不安ですが、同時に十分な安全対策をとられているのだという確認にもなりました。
その年に一度の調査が行われたのは2019年7月12日のこと。
見学広場3か所での大気調査の結果、大気汚染防止法の基準値を大幅に超える数値のアスベストと疑われる物質が検出されたとのことでした。
調査の時点では「アスベストと疑われる物質」としかわからなかっので、精査を待つまでの間も含めて上陸が禁止となったのです。
精査の結果、8月3日にアスベストではなく、石膏と塩化ナトリウムであったことが判明しました。
調査前日は雨天で、その時溶け出した石膏や海水中の塩分が調査日の晴天によって結晶化し、大気中に多く舞ったのでは?とのことでした。
この結果を受けて、8月10日より軍艦島ツアーは再開される運びとなり、一件落着となりました。
軍艦島ツアーの中止は、予期できない

有害物質の検出や、自然災害がない限りは上陸できるということかと問われると、その答えはNOです。
その名の通り島ですので、アクセスは長崎市街地から、船に乗る必要があります。
すなわち、高波など悪天候では出航ができないので、やむを得ず中止となることも、間々あります。
事前の大気調査や、予報で想定できるような気候であれば前もって知ることができますが、そうでない場合もあるのです。
旅行の日程に組み込んで、楽しみに現地近くまで来ていたのに、寸前で中止!ということも、もちろんあり得ます。
ほとんどの場合は予定通りに行けると思っていて大丈夫なのですが、旅にハプニングはつきもの。
そのハプニングさえも楽しめてしまう人が、真の旅好きだと私は思っています。
何事も予定調和ばかりじゃつまらないじゃないですか。
「予定通りにいかないと気が済まない」方と、「予定は未定。どうなっても大丈夫」と言う方がいます。
だけどできれば後者のほうがなんでも楽しめてオススメですよ(私は後者です)。
気候なんて、予報通りに行くかもわかりませんし、神のみぞ知るです。
そう言った意味では「行けたらラッキー」くらいの気持ちで行っていい場所かもしれませんね。
長崎県にはほかの見どころも沢山ありますので、その中の一つとして組み込んでおくのがオススメです。
軍艦島ってどんなところ?ツアーを計画すべき?
軍艦島の正式名称は「端島」と言います。
文化遺産として、世界遺産に登録されたのは2015年のことなので記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。
端島(はしま)は、長崎県長崎市(旧西彼杵郡高島町)にある島である。明治時代から昭和時代にかけて海底炭鉱によって栄え、1960年代には東京以上の人口密度を有していた。しかし、1974年(昭和49年)の閉山にともなって島民が島を離れてからは、無人島である。軍艦島(ぐんかんじま)の通称で知られている[2]。「羽島」とも書いていた[3]。日本初の鉄筋コンクリート造の高層集合住宅がある。
2015年、国際記念物遺跡会議(イコモス)により、軍艦島を構成遺産に含む「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が世界文化遺産に登録された[4][5]。
引用:Wikipedia
遠くから見た時の島のシルエットが軍艦のように見えるため、このニックネームで呼ばれるようになりました。
そもそも無人島であったこの島に、人々が上陸するようになったのは明治維新後間もなくのこと。
海底に良質の石炭が埋蔵されていることがわかり、採掘が始められるようになったことで、そこで働く人々やその家族が移り住み始めたのです。
この頃の日本にとって、石炭が主要なエネルギー源であったことは言わずもがな。
日本の近代化にとって、大きな一役を担っていた島であると言えるでしょう。
人々が暮らすようになると、島の中には病院や学校、映画館に理髪店など、生活に必要な様々な施設もつくられ始めます。
日本で初となる鉄筋コンクリートのアパートも建てられ、一番高いもので7階建てだったそうです。
土地も足りなくなったので、島の周囲をコンクリートで埋め立てて、段階的に居住地の拡張を進めながら軍艦島は発展していきます。
最終的に面積は3倍にもなり、最盛期の1960年頃には、東京23区の9倍の人口密度であったと言います。
この人口密度は、当時世界一だったそうですのでどれだけ多くの人が暮らしていたかが想像できます。
しかし、この繁栄はそれほど長くは続きませんでした。
やがて日本での工業や生活を支える主要エネルギーが石炭から石油へ変わっていくに従い、ここでの仕事はなくなっていきました。
1974年、ついに炭鉱が閉鎖されることになり、島民も島を去ることを余儀なくされたのでした。
軍艦島へ行ってみたいと思われた方は、こうした歴史背景も調べてから行くとより楽しめると思います。
私自身、学生時代訪れた場所を大人になって再度訪れ、「前はわからなかったけど、ちゃんと見るとすごく面白いな」と思った経験があります。
だから、せっかく足を運ぶならば知らずに行くのはもったいないですよ。
私たちが今の生活をできているのは、先人たちの数多くの苦労や知恵があったからこそですよね。
そうしたことに想いを馳せると、この軍艦島ツアーをより深く満喫できると思います。
さて、ふたたび無人島となったこの島は長らく放置されていましたので、激しく老朽化が進むこととなりました。
そのため廃墟と化し、近づくには非常に大きな危険が伴うため上陸は禁止されていました。
しかし2000年頃に近代化の遺産として注目を浴び始めたことで、2009年にようやく観光客が上陸を許される場所となったのです。
現在も、危険なく見学ができるように整備されているとは言え、建造物はほとんどが崩壊しているため、近づくことはできません。
離れて見学することとなりますが、当時の生活の雰囲気は十分に感じ取ることができるでしょう。
長崎への旅を考えた時に、個人的には一番行ってみたいスポットです!
長崎市野母町(のもまち)には軍艦島資料館という施設もありますので、こちらも併せて訪問してみてはいかがでしょうか?
まとめ
- 軍艦島のツアーは2019年時点では一時中止されていた
- 原因は、台風被害によるものとアスベスト物質の検出
- いずれの問題もすでに解決し、2020年2月にはツアーが再開されている
- しかし今後も、天候などによって中止となることはある
- 当日中止が知らされることもあるので、代替プランを持って計画することが必要
- 観光地としては、長崎旅行をするとしたらオススメしたい場所のひとつ
- 行くと決まったら歴史背景も学んでおくと楽しさ倍増
旅行が好きな私は、今回調べてみてとても行きたくなった場所です。
日本に住んでいるからには、世界遺産に登録された国内の場所は制覇してみたいです!
上陸が許可されてからは、映画などのロケにも多く使われているそうなのでそちらの方面から興味を持つ方も多そうですね。
ロケ地巡りとしても楽しめそうなスポットです。
ぜひ、長崎旅行の計画を立てる際にはプランに組み込んでみてください!
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