森林認証制度には色々ありますが、中でもfsc認証という言葉をよく耳にするようになりましたよね。
あなたも、紙パックやティッシュの箱などに認証マークがついているのを見たことがあるのではないでしょうか。
このように、身近にはたくさんfsc認証製品があります。
そしてなんと、fsc認証におけるデメリットはないのです!
デメリットがないうえに環境に優しい、ということで話題になっているのですよ。
ですがデメリットはないものの、認証を取得する際には5つのステップが必要になります。
どうやら、すぐに取得することはできなさそうですね…。
そこで今回は、認証を取得するまでの5つのステップとメリットについて詳しく解説していきます。
fsc認証を取得することで、あなたの企業の製品が、より多くの人に愛されることが期待できますよ。
目次
fsc認証のデメリットはないが5つのステップが必要

fsc製品には木材製品、紙製品、非木材製品の3種類があります。
fsc認証を取得した製品を使用するうえでのデメリットは、特にありません!
ですが、デメリットではありませんが、企業がfsc認証を取得する際には5つのステップが必要となります。
そしてこのfsc認証は、どうやら簡単に取得することはできなさそうです。
fsc認証を取得するために必要な5つのステップ
fsc認証を取得するための5つのステップは以下の通りです。
- 認証機関に問い合わせを行う
fsc認定の認証機関に問い合わせを行い、費用や時間の見積もりをしてもらう - 認証機関を決定する
認証機関を決めて、fsc認証取得の条件や手順の説明を受けてから契約をする - 認証機関の審査をうける
認証機関の審査員がfsc認証規格に適合しているか審査を行う - 認証機関が認証判断を行う
審査員による認証審査報告書をもとに、fsc規格に満たしていれば認証機関が認証発行を決断する - fsc認証の取得
有効期限5年間の認証書が発行される
fsc認証を維持するには、認証機関による年次監査を受ける必要がある
認証の審査にかかる費用や時間は、事業の規模やリスクなどによって変わってきます。
問い合わせを行う際に、あらかじめ基本的な情報を提供する準備をしておくとスムーズにいきますよ。
また審査では確認だけでなく、事務所、工場、倉庫などの訪問も含まれます。
担当者にインタビューも行ったり、周辺の関係者への聞き取りも行ったりするみたいですよ。
fsc認証は環境の保全につながる制度である
では、そもそもfsc認証ってなんなのでしょうか?

運営は、NPOであるfsc(森林管理協議会)が行っています。
深刻な森林破壊に着目し、持続可能で適切な森林管理を世界に広めることが目的で設立されました。
- 適切に環境が守られていること
- 社会的な利益にかなっていること
- 経済的に持続可能な森林管理であること
これらを目指して、しっかりと管理された森林で伐採した木材を消費者に届けて、そこから得た利益を生産者に還元することに取り組んでいます。
ちなみにこのfsc認証は、直接fscからは発行されず、独立した第三者の認証機関が行っています。
また、fscマークを表示したり印刷したりする場合も、認証を取得した会社でなければ印刷ができないようになっています。
国際的な制度ということもあって、非常に徹底されていることが分かりますよね。
fsc認証を取得することのデメリットはないものの、念入りな準備と時間が必要になってくるので、簡単に取得することはできないみたいです…。
しかし、fsc認証を受けた森林から生産された製品には、fscのロゴマークがつけられます。
これによって、地球環境に対する取り組みを消費者にアピールすることができますよ!
fsc認証を取得するメリットはたくさんある

fsc認証を取得するまでの道のりは長いことが分かりましたが、取得するとたくさんのメリットがありますよ。
一番のメリットはずばり、あなたの企業が真剣に環境問題に取り組んでいることを知ってもらえる、ということです。
実際に、木や紙を使用する製品を製造する企業以外にも、名刺・カタログ・パンフレットなどにfsc認証紙を取り入れている企業も増えているみたいです。
そこで、ここではfsc認証を取得した際のメリットを4つご紹介します!
- 企業としての環境問題に対する姿勢や取り組みをアピールすることができる
- fsc認証のマークが付いていることで、製品に価値を与えて自社製品を差別化することができる
- 森林保護の支援をしたり地球環境を保全することに貢献できる
- 自治体や企業の評価に関与できる
fsc認証紙を使用することで、間接的に森林保護や地球環境をサポートでき、社会に貢献することができます。
またそれだけでなく、一般消費者に向けて環境保全に対するメッセージを分かりやすく伝えることができますよ。
環境に配慮されている製品とされていない製品とでは、配慮されている製品のほうを利用するケースが多いのではないでしょうか。
また、fsc認証の製品を積極的に使用する企業として、自治体や企業の評価が有利になる可能性もあるみたいです。
「森林資源を活用することに力を入れている企業です。」とアピールすることで、周りからの信頼も得ることができますね!
fsc認証紙と再生紙との違いは原料によるもの

fsc認証された木材は主に、上質紙・ティッシュ・トイレットペーパー・段ボール・家具などに使用されています。
一方で、環境に配慮した紙の材料としては再生紙も有名ですよね。
fsc認証紙と再生紙はどちらも環境に優しいですが、これらの違いは原料にあります。
では、fsc認証紙と再生紙の原料を比べてみましょう。
原料 | |
fsc認証紙 | 新しい木材から製造されたバージンパルプ |
再生紙 | 古紙パルプ |
fsc認証紙は、回収紙を原料とした古紙パルプを使用せず、バージンパルプを使用しています。
バージンパルプって、あまりなじみのない言葉ですよね。
古紙などを再生したものではなく、木材を材料にして製造した、新しいパルプのことをいいますよ。
一方で再生紙は、古紙をリサイクルして作った紙のことをいい、原料に古紙パルプを使用しています。
そして、fsc認証紙と再生紙は原料に違いがあることで、それぞれに違ったメリットがあるのです。
再生紙は紙のサイクルといわれている
再生紙は、すでに使用されたことのある古紙を回収して、その古紙パルプを原料として製造されます。
紙のゴミを減らせたり、木材資源を有効活用することができたりという面で大きく評価されているのです。
そのため、再生紙は「紙のサイクル」といわれています。
しかしその一方で、リサイクルを繰り返し行うことによる品質の劣化や、製造する過程で発生する二酸化炭素の排出量が問題となってきました。
再生紙は古紙を使用するので、どうしてもfsc認証紙より品質が落ちてしまうみたいですね。
fsc認証紙は森のサイクルといわれている
紙ゴミの削減や木造資源の有効活用といった面で評価をされてきた再生紙ですが、品質の劣化や二酸化炭素の排出量がデメリットとされていましたよね。
fsc認証紙はこうした再生紙の限界を解決する方法の一つとして、注目されるようになりました。
fsc認証紙は、「森のサイクル」といわれており、紙の原点となる森林自体を資源と認識しています。
fsc認証紙はバージンパルプを使用していることから、強度や白色度に優れており、印刷の再現性が高いといわれています。
再生紙に見られる黒ずみもなく、安定した品質が期待できますね!
しかし、fsc認証紙と再生紙のどちらのほうが優れているかということではなく、どちらにもメリットはあります。
再生紙とfsc認証紙のどちらかが環境に貢献するというのではありません。
再生紙による「紙のサイクル」とfsc認証紙による適切な管理で生産された「森林のサイクル」をバランス良く使用していくことが大切です。
あなたの使用用途に応じて使い分けてくださいね。
まとめ

- fsc認証を使用するうえでのデメリットはないが、fsc認証を取得するには5つのステップが必要である
- fsc認証とは、持続可能な森林の活用と保全を目的に誕生した、適切な森林管理を認証する国際的な制度のことである
- fsc認証を取得するためには、念入りな準備と時間が必要なので、すぐ取得することはできない
- fsc認証を取得することで、真剣に環境問題に取り組んでいることを知ってもらえる
- fsc認証の製品を使用することは森林の保全に役立ち、森林保護の支援や地球環境の保全に貢献できる
- fsc認証紙は新しい木材から製造されたバージンパルプ、再生紙は古紙パルプを原料としている
- 再生紙は、ゴミの削減や資源の有効活用が期待できるが、品質劣化や二酸化炭素の排出量がデメリットとされている
- 再生紙とfsc認証紙どちらかではなく、バランス良く使用していくことが重要である
fsc認証におけるデメリットはないものの、日本での知名度は欧米などと比較するとまだまだ低いのが現状です。
しかし、仕事や生活に欠かせない紙の利用を、地球環境や社会に配慮されたものにしようとする企業は増えています。
fsc認証について理解して環境に配慮した製品を流通させることで、ますます認識が広がりますね。
これからの地球環境を考えて、一緒に社会に貢献していきましょう!