うるうるおめめに小さな身体、負けん気が強いけどとっても甘えん坊。
そう、チワワです。可愛いですよね。チクワではありません。
30℃を表示する火傷しそうな位に熱くなった温度計。動いてないのに滴り落ちる汗。
突如現れた青果売り場のスイカ達。全身黒ずくめの怪しいアラサー女(日焼け対策)
そう、夏です。猛暑です。近頃の夏の暑さは異常ですよね。
チワワに限らずワンちゃんを飼っていると1度は悩むであろうお留守番事情。可愛い可愛い我が子を事情はあれど、ひとりで家に残します。辛い。
友人の飼っているチワワは尻尾をブンブン振り乱し、「ご主人どこ行くの?まさかお散歩?お散歩行けるの!?」って全力で勘違いして見つめてくるそうです。後ろ髪どころか毛根ごと引っこ抜かれてしまいそうですね。
お留守番の中でも飼い主さんをさらに悩ませるのが夏の季節。あれやこれやと準備をしますよね。
熱中症になったら命に関わりますから。
どうやったら夏でも快適に安全に過ごせるか、今回は犬界の小悪魔的アイドル、トイプードルの宿敵とも言われる小型犬のチワワに焦点を当てて調べてみました。
目次
チワワは暑さに強いから夏のお留守番も平気は嘘!!
「チワワは寒さに弱い」
「寒がりだからいつもブルブル震えている」
「寒がりだから暑さには強い」
よくこんな声を聞きます。何それどこから仕入れた情報ですか?と小一時間問い詰めたいところです。
犬は暑さに弱い
犬は暑さに弱い。これは犬を飼っている人はもちろん、飼ったことのない人も一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
犬が暑さに弱い理由の中で大きな割合を占めるのが体温調節の仕方です。
人は熱が身体にこもると汗をかきます。汗臭いのは嫌だ…って思うかもしれませんが、体温を下げるためにも大事なことなんですよ。
しかし、犬は汗を出すための汗腺が肉球にしかありません。肉球の面積なんてたかが知れてますよね。なので、汗をかいて体温調節することが非常に難しいのです。では、どうやって体温を下げているのか。
犬は体温を下げるために舌を出し、「ハッハッハッハッ」と激しく呼吸をして舌や気道の蒸気を体外へ発散させています。この方法をパンティングと呼びます。
暑い日にお散歩中のワンちゃんを見かけるとかなりの確率でハァハァしています。個人的にはもっと涼しい時間帯にお散歩してあげて…熱くなったアスファルトの上なんか歩かせないで…とワンちゃんの体調と肉球を心配してしまい、気が気でないのですが。
話が逸れてしまいましたね。
犬は主にパンティングをして体温を下げるわけですが、犬はもっこもこの天然毛皮を着ています。その分熱がこもりやすく、すぐに体温が上がってしまいます。パンティングだけでは間に合わないそうです。毛足の長いシープドッグなんで見ているだけで暑そうですよね。
パンティングは暑い時だけでなく、不安な時やストレスを感じている時、体調が悪い時にもする場合があります。なんか変だな?と感じたらすぐに動物病院へ連絡してあげてください。
日頃からお世話をしている飼い主さんなら愛犬の異変に気付くはずです。
チワワは暑さに強い
犬は暑さに弱いけど、チワワは暑さに強い。一部ではそう言われているようですね。何故でしょうか。
その小さな身体やうるうるした瞳、怖い風貌のおじさんもメロメロになってしまう大人気のチワワですが、日本生まれではありません。実はメキシコから来たのです。タコス美味しいですよね。
メキシコ生まれのチワワちゃん。メキシコはとても暑い国!だからチワワも暑さには強い!とイメージが付いてしまったのでしょうか。
確かにチワワは日本の冬が苦手です。日本の四季にも慣れていません。そして、日本の夏は高温多湿と言う特徴があります。暑いわ、じめじめだわで最悪です。
日本の暑さはメキシコとはまた違う種類の暑さなので、いくら暑さに強いチワワでも日本の夏は苦手なのです。
私も夏は苦手です。「プール!スイカ!花火!」と息子は大はしゃぎで微笑ましいんですけどね。
チワワを夏にお留守番させるならエアコンは絶対いる?
お留守番をする時にエアコンは絶対つけないといけないの?と質問をして、回答者からは非難轟轟、大炎上しているネット記事をよく見かけます。
お留守番してもらうときは、エアコンがないリビングでゲージ入れ、雨戸を閉めて窓を開け、冷風機をつけ、凍らせたペットボトルを置いてます。しかし、今日など38度を超す酷暑の中、2時頃帰ると凄い熱気が…。まだ母が出かけたばかりだったので、ペットボトルも凍ったままでしたが、冷風機だけではもたないかな?と思いました。
そこで母にお留守番のときだけ私の部屋でクーラーをつけたらどうか?と相談しました。そしたらすごく不機嫌になり「人間だって耐えられてる。今までの犬だって耐えてきたから大丈夫だ!」と言うのです。でも最近の気温は今までとは違うし、特にゴールデンは暑さに弱いから心配だ、と言うと「冷風機だってつけてるから問題ない」と言います。
今までは外飼いで柴や雑種を飼っていました。なので私も犬は外で飼うもの、家の中で飼うようになってもクーラーなくても大丈夫だろうと思っていましたが、ここまで暑いと心配です。暑さに強い柴ですらかなりハアハアしていたし…。
みなさんはお留守番のときはどうしてますか?私は心配し過ぎですか?
引用 Yahoo!知恵袋
これもその一例です。38℃超えて冷房をつけないのはちょっと理解に苦しみます。こちらのお母様には熱中症になってからじゃ遅いんですよ、と蒸し暑い部屋の中でお説教をしたい気分です。ぷんぷん。
そういえば私の子供時代にも飼っていた犬のお留守番について両親が揉めていたっけ…と当時の記憶が蘇りました。
「エアコンを消し忘れてるぞ」
「〇〇ちゃんはお留守番ですから」
「犬だろう。甘やかし過ぎだ」
「…………………は?(威圧)」
普段大人しい母の、初めて聞くドスの利きまくった声と、普段は怖い父の恐怖に染まった表情が今でも忘れられません。お出かけも無くなりました。ハゲ親父め。
エアコンをつけっぱなしにして電気代が気になるのはわかります。夏冬の電気代を見ると悲鳴が上がりますからね。出来ることなら1円でも節約したいところです。
だからといってエアコンを付けないまま、コレといった対策もしないでお留守番させてみたらどうでしょう?帰宅したらぐったりした愛犬が。悲鳴どころの騒ぎでは無くなってしまいます。
では絶対にエアコンをつけなくてはいけないのか。正直なところどっちでも良いんです。愛犬が元気で快適に過ごせる環境を維持出来るのであればエアコンをつけても、つけなくても良いと思いませんか。
ちなみにワンちゃんとお揃いコーデするための洋服代や、ペットと入れるおしゃれランチのお店にはやたらとお金を使うのに、ペットの冷房代をケチってしまう飼い主には「ペットはあなたの『いいね』を稼ぐオモチャじゃないんだけど」と蔑んだ目を向けてあげましょう。
エアコンを使うなら
犬種によって差はありますが、夏場は気温22~26℃、湿度60%位が犬にとっては過ごしやすい環境、と言われています。
しかし人と同じように、外気温との差がありすぎても夏バテなどの原因になります。外出から帰ってきた飼い主さんに大好きなお散歩に誘われても、外は灼熱地獄ですもんね。そりゃあ、お散歩拒否しますよ。
なので、冷房の設定温度は25〜27℃。湿度が高い場合は除湿設定にしてあげると犬も人も快適に過ごせます。
あまり室温が低すぎると自律神経が乱れ、体調を崩してしまう冷房病(クーラー病)にかかってしまうので注意しましょう。
エアコン+冷却グッズ、エアコン+扇風機といった工夫で冷房代を安く抑えることも可能です。
また、子犬や身体の小さな犬種は体温が下がりやすく、体調を崩してしまったり下痢をしてしまう場合もあります。エアコンは適度に使うことが大事です。
愛犬がパンティングをしないで身体を伸ばしてのんびりお昼寝出来ていたら、それは快適というサインです。
エアコンのデメリット
エアコンは万能ではありません。デメリットもあります。
・電気代がとにかくヤバい
主婦の皆さんは夏場の電気代の請求額を見て頭を抱えるのはあるあるですね。私もよく3度見します。
ですが、愛犬のためです。設定温度を高め+扇風機を使うなどしてうまく節約するしかありません。
・災害には勝てない
可能性は低いですが、地域によっては突然の豪雨や落雷、災害によって停電になってしまいます。エアコンも止まってしまい、蒸し暑い部屋の中でぐったりした愛犬が見つかり、慌てて病院に向かった時には既に遅かったという悲しい事故も実際に起きているそうです。
災害を止めることはできませんので、万が一エアコンが使えなくなった時を想定して環境作りをしたほうが良いでしょう。
・エアコンの機能が牙をむく
ある程度最近のエアコンは必ずついていますよね。そう、省エネ機能です。エコの面でも、電気代の節約をする面でもとてもありがたいこの省エネ機能。これによって停電ではないのに冷房が勝手に止まり、熱中症になる犬が増えているそうです。
そもそも、人の動きを察知し、人がいる場所を重点的に冷やす「人感センサー」と呼ばれるような機能は、大人の胸部あたりの動きを察知するように設計されているものが多いです。犬の動きには対応していません。
そのため、誰もいないと勘違いしたエアコンが「今だ!」とうっかり仕事をしてしまい、自動で停止してしまうのです。ハイテク過ぎるのも考えものですね。
エアコンは悪ではありません。使い方次第で、優秀な夏の暑さ対策の味方になってくれます。
ですが、とりあえずエアコンついてるから大丈夫!!という考え方は危険かもしれません。
チワワが喜ぶ!夏のお留守番を快適に過ごす為に
ワンちゃん達は飼い主さんが大好きです。できることならお留守番なんてしたくない、一緒について行きたい!ずっと遊んでてほしい!!でもそうも言ってられませんね。用事や仕事だってありますから。時にはワンちゃんに我慢をしてもらうことだってあります。その分、帰ってきたらたくさん遊んであげてくださいね。
ではワンちゃんに少しでも快適に過ごしてもらえるように環境作りを始めましょう。
快適環境の作り方
- 風の通る道を作る。カーテンを閉める。
風が少しでも通るだけで室内の温度と湿度は全然違います。入り口と、出口で2カ所の窓を少しだけ開けましょう。そして、外からの熱気や日光を遮断するためにレースカーテンや遮光カーテンはすべて閉めます。
植物を使った緑のカーテンなんていうのもあり、「わぁ、オシャレ!」と挑戦しましたが、どこでどう間違ったのか変な虫が増えたので断念しました。挑戦することが大事ですよね。 - 飲み水をたくさん置く。
新鮮な飲み水を2、3カ所にたっぷり置いておけば、ワンちゃんのペースで水分補給ができます。猛暑日には氷を入れてあげて少し冷やしてあげるのも良いですね。旦那のビール用の氷を拝借してしまいしょう。 - 扇風機やサーキュレーターを使う。
扇風機といえば、エアコンにプラスして使うだけで冷たい空気が早く室内を循環するので冷房代の節約になるというのがメジャーですよね。そこまで暑くない日でエアコンを使わない場合でも扇風機を回しておいて室内の空気を循環させてあげましょう。一つ豆知識ですが、扇風機は人が涼を取るのが目的。サーキュレーターは空気を循環させるのが目的なんだそうです。知ってました?
- 暑さに負けない体力作り。
突然のスポ根に驚かれたことでしょう。違いますよ。暑さに負けないようにしっかりと栄養を摂取して体調管理をする、ということです。間違っても大事なワンちゃんに大リーグボール養成ギ プスなんて装着させないでくださいね。
夏のお留守番で使える快適グッズ
快適な環境作りのオトモに、冷却グッズを使っていきましょう。うまく使えば冷房代の節約にもなります。
ですが冷却グッズと言っても「種類が多すぎてわからなぁい!!」(某ルーペのCM風)となりませんか。
そこで快適グッズを実際に試してみた友人に話を聞いてみました。
・クール素材のバンダナやスカーフ
ワンちゃんの中には違和感だったり、締め付けられる感覚を嫌がる子もいます。全然気にせず「可愛い~!」と褒められて、まんざらでもないワンちゃんもいます。個人差ですね。ちなみに後日、スカーフは友人の首にも巻かれていました。涼しいそうです。
・ジェルマット入り保冷剤
・アルミマット
硬い場所が苦手なワンちゃんには厳しいかもしれません。置いたはいいが見向きもされない場合もありますので使えたらラッキー位の気持ちでいきましょう。
冷却グッズも多種多様で、色々な素材や形があります。最近では冷却グッズとして大理石を使用するとかしないとか。チワワと大理石の組み合わせ…一瞬、デヴィ夫人が頭を駆け抜けていきました。ワンちゃん用の大理石もあり、なかなか好評のようです。
詳しく知りたい人はこちらからどうぞ⇒『犬の暑さ対策は大理石をプラスして!実はエアコンだけじゃ不十分!?』
また、なるべく節約したい!って場合には凍らせたペットボトルをタオルで包んだ物を大量生産して保冷剤の代わりに使うのも手です。ただし、帰宅したらリビングがずぶ濡れで驚かないように対策してからお留守番をお願いしてください。
チワワが恐怖する夏のお留守番!!熱中症になってしまったら?
お留守番の時だけでなく、暑い日のお散歩や、就寝時でも熱中症にかかる恐れはあります。愛犬の様子がいつもと違うなと思った時に知識ゼロは困りますよね。自分のためにもワンちゃんのためにも頭に叩きこんでみてはいかがでしょうか。
熱中症の症状
危険レベル★
このまま放っておくと熱中症になってしまうという段階です。部屋の中は快適ですか?見直してあげてください。
《症状》
・パンティングをしている
・体を触ると熱い
・やたらと水分を摂る
危険レベル★★
初期症状と言われ、ここで気付くことができれば助かる可能性は高いです。応急処置をして、早めに病院へ。
《症状》
・体温が40~41℃以上
・パンティングがおさまらない
・ぼーっとしている
危険レベル★★★★
重症化している状態です。応急処置をしつつ、すぐに病院へ向かってください。
《症状》
・下痢
・嘔吐
・ふるえ
・発作
・意識消失
危険レベルMax
1秒でも早く病院へ行ってください。腎臓に急激な障害が起こっている可能性があり、その場合、腎臓以外の複数の臓器でも機能が低下している可能性があります。死に至る確率が非常に高い状態です。平行して身体を冷やしてあげるのを忘れずに。
《症状》
・尿が出ない
・血尿が出る
応急処置のしかた
熱中症の疑いがある場合は、早急に身体を冷やす必要があります。
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同時進行で動物病院への連絡をお忘れなく。連絡しておくと病院に到着した際にスムーズに対応してくれます。
熱中症は初期症状を見逃すとどんどん悪化します。症状が重くなればなるほど、獣医さんが助けられる確率も極めて低くなります。
少しでも早く応急処置をしてあげることが愛犬の命を救う事に繋がります。
熱中症に特にかかりやすい犬
犬は人間よりも熱中症などにかかりやすい、お伝えしましたね。
その中でも特に熱中症になりやすいワンちゃんの特徴を簡潔にまとめました。
・短頭で、鼻の距離が短い体型の犬種
短頭種の犬はスムーズな呼吸がしづらく、パンティングも大仕事。そのためか熱中症になりやすいのです。
パグ、ボストンテリア、ブルドッグ、シーズー、ペキニーズなど
・北方原産または厚い被毛に覆われている犬種
元々、寒い国生まれで寒さには強くなるように対策しているので暑さ耐性は低めです。年中セレブ御用達のような毛皮ですから夏場は拷問ですよね。
シベリアン・ハスキー、ボルゾイ、グレートピレニーズ、シェットランド・シープドッグなど
・肥満気味の犬
皮下脂肪が断熱材となって熱がこもりやすく、心臓にも負担がかかり気味です。首まわりの脂肪も気管を圧迫し、呼吸機能が低下するので体温調節が難しくなります。可愛いからっておやつばっかりあげてはいけませんよ。
・子犬や老犬、病気をもつ犬
体の生理機能が未発達な子犬や、生理機能が衰えている老犬は、体温調節が上手にできません。また、心臓や呼吸器が弱いワンちゃんは循環機能や呼吸機能が低下しているため、熱中症になりやすいのです。
熱中症は対処が遅れると最悪、死に至るケースもあるため、軽く考えるのは絶対にやめてください。
人と違ってワンちゃん達は辛い、苦しいが言えません。暑いからと自分で冷房をつけたり、ポカリを飲んだりなんてできませんよね。私達、飼い主が正しい知識を身につけて、予防を徹底すること、熱中症になってしまったら迅速な対応が大切です。
番外編:チワワの夏のお留守番!!車に置いていかないで!!
先日、家族で出かけた際に息子が突然「ワン!」と吠えたので何事かと思ったら信号待ちで隣にいた車にこちらをひたすらガン見するボクサー犬が乗っていました。あまりの迫力にちょっと漏らしそうになりました。
夏の時期になると聞きますよね。買い物や用事を済ませるために愛犬を暑い車内に残していたら、熱中症にかかってしまい助からなかった、という悲しい事故です。
車の中は気温が上がりやすく、エンジンを切った状態での閉め切った車内はあっという間に蒸し風呂状態です。窓を多少開けたところで大して変わりません。だからと言って窓を全開にするのは車上荒らし等の被害に遭う恐れがありますので止めましょう。
「すぐ帰ってくるから大丈夫」なんて人もいますが、ドアを閉めてから5分後には10℃も上がり、車内の温度は25℃から35℃近くに、さらに1時間後には50℃を超えます。そんな場所に愛犬を置いていけますか?
本当は一緒に連れて行くのが最善ですが、厳しい場合もあると思います。その時は必ずエアコンで車内を涼しく保ってあげて下さい。エンジンを切った状態で閉めきった車内に置いていくのは絶対にやめましょう。
まとめ
- 犬は暑さに弱い。メキシコ生まれでも暑いモンは暑い
- エアコンは便利だが万能では無い。
- エアコン+冷却グッズを賢く使って節約しながら快適な環境作りを。
- 熱中症は時間との勝負!!すぐに身体を冷やして水分補給しつつ、病院へ。
- 車内ではエアコン必須。出来れば置いていかない。
ワンちゃんが頼れるのは大好きな飼い主さんです。大切な命を守れるのも飼い主さんだけです。
今からでも遅くないです。ワンちゃんがお留守番中でもリラックスできるような環境を作ってあげてくださいね。