息子が野球部に入って、毎日部活に通っているけれど、真夏日の日も練習に行っていて、猛暑で熱中症にならないのか気になる。
もし、部活の大会に引率することになったら何を差し入れたらいいのか。
学校生活は、本人たちだけでなく、親も分からないことだらけです。
環境省は暑さ指数を発表し、全国に熱中症対策の呼びかけを行っています。
一定の暑さ指数を超えると、部活が原則中止になる目安まで明確に出しています。
でも、それでも100%部活動が中止になることはありません。
部活中止がうたわれている中、高校生の部活に燃える夏を、学校はどのようにしてバックアップしているのでしょうか。
そして、私たち親は子供たちをどうケアしてあげたらいいのかをお話ししたいと思います。
部活動は真夏日でも中止にならない

例年、夏の季節には何日も連続で30℃、35℃を超える日がありますよね。
夏だけでなく、5月6月にも30℃を超える日も出てきて、暑さが年々加速しているなあと感じます。
そんな暑い中、部活動で運動をして、熱中症にはならないのでしょうか。
毎日やるのが当たり前という勘違い

夏には高校生たちの目標とする大会が数多く行われます。
ほとんどの部活はそれに向かって努力する方針でスケジュールや練習メニューが決まります。
うだるような暑さの中で、たまにはきつくて休みたいという日もあるでしょう。
なぜ暑いのに部活があるのか、疑問に感じているのは、親だけではなくやっている本人たちもです。
でも、大多数は毎日練習を積み重ねないと技術が上達しないと思っているんです。
試合のために頑張ろうとすると、熱血な顧問や学校が容認したりと、猛暑の中でも結局毎日練習をするという状況になりかねません。
そのうちに、休むことが悪いことだと思う風潮が生まれてしまい、生徒は余計に休めなくなってしまいます。
猛暑が加速していくのに、このままだと大変危険です。
高校生にとってあこがれの舞台だから

自分の力を最大限発揮したい、大会で賞を取るなど輝かしい成績を残したいという気持ちを高校生は持ちます。
歴史のある学校なら、あこがれの舞台について、先輩たちの意思を引き継ぎたい気持ちもあるでしょう。
本人たちも厳しい練習スケジュールの中で、意識を高く持ち続けるのは簡単ではありません。
それでもやりたいという気持ちの強い団体は、限られた時間の中で相乗効果で高いパフォーマンスもできます。
大事なのは、自分の生活が健全に送れているうえで、好きなことを適切に練習することです。
たとえ猛暑によって練習が中止になっても、その強い気持ちが妨げられることは決してありません。
地域によっても環境や取り組みに差がある

例えば私は田舎育ちなので、部活やマラソン大会などでは、近くの山まで走りに行っていました。
自然に囲まれた場所では、木のかげに座っていると、どこからか涼しい風が吹いてきて、暑さも忘れてしまうほどです。
一方、都会の学校や住宅地の中の学校は、アスファルトの照り返しの強い中を走ることもあります。
屋内練習に切り替えるところもあれば、時間を朝や夜型に変えて練習するところもあるなど様々です。
炎天下での運動は中止すべきということには理解があっても、部活を全くやらないようにすることは難しいようです。
実際は、なんとか中止にはしないように考えて対策しているという様子です。
夏の猛暑での部活中止を強く呼びかけている

真夏日に日差しを長い時間じりじり当たっているのって、想像するだけでも汗が出てきそうですよね。
普段の生活を送るだけでも熱中症を起こすリスクとは隣り合わせですが、スポーツではもっと注意が必要です。
環境省では、どの程度の気温だと熱中症を起こしやすいのかという目安を表して学校に発表しました。
それを『暑さ指数』と呼んでいます。
暑さ指数とは?環境省の中止の呼びかけ

環境省では、熱中症を予防することを目的とした指標を発表しています。
これを『暑さ指数』といい、日常生活や、働く環境、スポーツの指針になっています。
影響の大きい三つを測定に取り入れています。
運動の場合、その日の気温と指数が連動しています。

引用:環境省HP
暑さ指数が31℃を超えたら、「運動は原則中止」熱中症になりやすく危険という状態になります。
この呼びかけによって、全国の学校でも『暑さ指数』を測る装置を導入する取り組みが広がっています。
部活や学校全体で改善に取り組んでいる

暑すぎて、部活中止になって帰ってきた娘達。よかったよかった。毎日、熱中症になってやしないかと、帰ってくるまで心配やからね〜
— sho.ten.tiara (@shotiara1) July 19, 2018
引用:twitter
暑さ指数を下げることはできないのかと思いますが、学校の部活動ではまず練習環境を整えることが大切です。
球技などは、屋内の部活動と練習場所の兼ね合いもあり、簡単に屋内に切り替えるのは難しいです。
では、部活を中止にせずにどのように対策しているかというと、こんな感じです。
- 日中の練習を避け、朝方や夕方以降に行う
- 午前中だけなど、時間を短縮する
- グラウンドの地面の温度を下げるのに水撒きをする。
- ベンチなど休憩できるところは日かげを作る。
- こまめに水分補給する時間を試合中に設けたり、自由に水分補給してOKにする。
そうでなくても、グラウンドの温度が非常に高いと、いくら水を撒いても蒸発して蒸し風呂状態なんてこともあります。
気温35℃の時、人工芝は40℃を超えていたりもします。
体感ではすでに暑かったりするので、あくまでも暑さ指数は目安にして、無理せず早めに休むというのが一番です。
野球部に限って言うと、試合中のユニフォームは全身を覆っていて、帽子も日差し除けにはなっても暑いです。
また、一日の練習時間も長いので、体力の消耗も激しいです。
毎日送り出す方からすると、家を出た瞬間から、熱中症で倒れないかと気が気でないですよね。
部活ごとにそれぞれ環境が違うので、注意する点を部内全体で共有して、改善していく必要があります。
健全であるために休養日を部全体でとる

特に夏休み期間は集中して練習ができるので、スケジュールも毎日組みがちです。
でも、時間を朝にずらしたとしても、睡眠不足で疲労がたまっているなど十分な休息が取れません。
これに関しても、定期的に休養日を作り、その日の部活を中止にすることで、部員もリフレッシュになります。
健全に生活を送れてこそ、部活動でもよいパフォーマンスを発揮することができます。
甲子園が夏の開催にこだわる理由と対策

国を挙げて、真夏日の部活動が重大な問題なっていますが、そんな中でも甲子園の夏の大会は毎年行われています。
甲子園の歴史を根絶やしにしたくない
例えば甲子園は、中止、延期は危ぶまれこそしましたが、戦後1946年以降は、毎年必ず開催されています。
震災や、深刻な感染症があっても、せいぜい日程変更がある程度です。
東日本大震災の影響で私はテレビで見れませんでしたが、春の甲子園も開催されたのを後から知ってとても驚きました。
なんでそこまでしてやるんでしょうか?
高校球児の夢だからです。
高野連は「高校野球の全国大会を、夏に、甲子園でやる」ことに強いこだわりを持っています。
でも、テレビで命がけで戦っている甲子園球児に、賛否はあれど少なからず感動してしまうんですよね。
そのような日本の姿勢だから、甲子園出場を夢みて日々練習を重ねるという連鎖になってしまいます。
高野連は夏の開催について、私たちの想像を超える対策を打っています。
高野連の取り組み①甲子園球場の当日の対策

夏の甲子園は、出場者はもちろん応援団も一丸となって勝利に向かって奮闘します。
高野連は、そのすべての人に暑さ対策をしています。
- 選手は試合中に水を飲む。高野連からも各チームに提供する。
- ベンチ裏の素振り部屋に大型送風機とミストを出すスプレーを置く。
- あらかじめ冷やしていたペットボトルがあり、手のひらを冷やすとプレー中に温まった体の熱を下げることができる。
- 観客席にクーラーを設置する。
- 喫煙室は避暑室に変えている。
- 応援団にはミスト噴霧器をイニング間に使えるように配布する。
高野連の取り組み②助成金で全国各地にも対策が広まる

2019年に高野連は各都道府県連盟に最大15万円の助成金を支給しました。
これによって、全国各地では、さまざまな暑さ対策を行いました。
- 給水タイムを設ける
- 球場のベンチにミスト装置を設ける
- テントの持ち込み、日影用のブルーシートを張る
- ナイター開催、昼の試合を朝9時にずらす
これなら、より試合に集中できそうですね。
今まで対策したくても、資金などの都合でできなかった環境整備が整うだけで、気持ちも良いものに変わると思います。
夏の試合に差し入れすると良い暑さ対策グッズとは?

子供たちの、部活に頑張る姿をどんな形でサポートしてあげるといいでしょうか。
練習や試合の差し入れや、ひんやりグッズなども紹介したいと思います。
子どもの差し入れにピッタリな食べ物は?

冷たいものが人気のようです。凍らせておくのも良いですね!
果物をひと口大にカットしていくと、簡単に口へ入れることができるので喜ばれます。
ただこの時、夏場は食中毒にも注意が必要です。
雑菌の繁殖率を高めないように、クーラーボックスなどに入れ、しっかり冷やした状態を保ちましょう。
バナナはブドウ糖などのエネルギーになるものが含まれているのでおススメです。
カリウムも含まれているので、足がつるのも予防してくれるでしょう。
エネルギー源となる 炭水化物 ビタミン ミネラル
おにぎり、肉まん、カステラ、バナナ、ヨーグルト、フルーツゼリー
脳に栄養を補給し、集中力を高める効果が期待できます。
頑張ったごほうびで嬉しいですよね。
練習後には疲労回復効果もありますよ!

熱中症対策のために、甲子園では手のひらを冷やすことを紹介しましたが、他にも首を冷やすのも効果的です!
ひんやり気持ち良い~グッズで夏の暑さを吹き飛ばしましょう!
必要な送迎、休養を確保する
名門校に他県から集まることも多いです。
学校の寮ではなく、隣の県にある自宅から朝晩の送迎をしているという例もあります。
それだけでなく、睡眠時間を確保できるように、遠征試合、普段の行き帰りも必要であれば送迎するといいでしょう。
実際に必要な水分補給

部活動で水分補給するのに、お子さんにどのくらい持たせればいいでしょうか?
たっぷり持っていきたいけれど、荷物になるのは大変そうですよね。
自分で自由に水分を持っていけるようにボトルタイプがいいと思います。
水温も5~15℃で長時間冷やせて置けるボトルがいいでしょう。
スポーツドリンクの粉末タイプなら、学校についてから、水で薄めて飲むことができます。
飲む量もとても多いので、ボトル3本分は用意できるくらい用意してあげるといいですね。
まとめ

- 夏の部活は、高校生の目指す大会のために練習に励むから、毎日練習するという熱血根性はいまだに根を残している。
- 環境省の出した暑さ指数によって、真夏日は原則部活中止が呼びかけられ、学校でも改善する動きが広まっている。
- 甲子園ほどの有名で大きな大会は中止に賛否が分かれているが、継続できるように全国的に対策が進んでいる。
- 子どもの試合に差し入れするときには、栄養バランスに配慮したり、適切な水分補給をして、熱中症対策をすると良い。
各地域、学校、部単位で念入りに対策は行っているので、重大な熱中症にかかることは少なくなってきています。
そんな中でも、部活で頑張る目標が夏の大会である限り、部活が完全に中止になるのは難しいでしょう。
社会全体で環境を整えてあげることが、高校生をよりよく育てることにつながるのではないかと思います。
親御さんにも、社会全体の取り組みを理解して、サポートしてほしいと思います。
年々夏の気温は高くなってきているので、熱中症には十分に注意して部活生活を送ってもらいましょう。
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